フランスの新星レア・セドゥ インタビュー 片思いのカレを見返すため女優に?
年齢以外にも彼女に合わせてシドニーのキャラクターを変更していったという。
「ブノワ・ジャコー監督は“若さ”というものに惹きつけられていて、これまでのどの作品でもそれを主題に置いて追いかけ続けてきた監督です。きっとこれからもそうね(笑)。シドニーを若くしたことで若者がアイドルに対して持つような憧れであったり、若さゆえのシドニーの無垢でナイーヴな部分をより鮮明に描けたと思うわ」。
だが物語の中心人物でありながら、シドニーは決してセリフが多いとは言えない。セリフや行動よりもちょっとした仕種や表情で微妙な感情の揺れを表現することを求められた。
「私自身、言葉に出して『私はこういう人間なの』と主張するのではなく、言葉に出さずに『空気を演じる』ことが好きなんです。そうやって演じることで空気の層ができて複雑性が生まれる。
観る人が『こうかな?それともこうだろうか?』と様々な側面を見出すことができるようになると思うんです。確かにシドニーはあまり言葉を発しないけど、彼女は常に自分自身と会話を重ねていく人。それを表現できたかなと思います」。
まさに“空気”、“オーラ”こそが彼女を言い表す上で鍵となる要素である。