【美的アジア】韓国の大重鎮イ・スンジェ氏に訊く。「先生、本当の愛ってなんですか?」
しかし、長年の俳優人生の中で“役との類似点は見つけない”というのがイ・スンジェ流演技論なんだとか。
「私が演じるキャラクターが私とまったく似ていなくても、きちんと分析すればその人物に十分に同化できると思っています。演技するときは常に私という個人をいったん全部捨て、積極的にその役に寄り添うようにしているんです。そもそも俳優というのは、自身が持つ固定観念や既存のイメージに固執してはいけないのではないかと思っていて。自我を完全に破り捨てることができなければ、演じるキャラクターに肉薄できず、どこかに自分の地の部分が出てきてしまうから。たとえば、演じる者に“私はスターなのに”とか、“私が最高の俳優なのに”という意識があれば、どん底に落ちなければならないような役を演じているときにも、つい自分がスターであるという意識が邪魔をして、役柄になりきることはできないでしょう?俳優なら誰でもさまざまなイメージを作り出し、それを表現することに快感を得るはず。パターン化した広告のように、同じ演技を繰り返すことぐらいつまらないことはないですよ」。
そんな新たに誕生したマンソクというキャラクターは、「大切な人を大切にしようとする素直な思い」