妻夫木聡、英語のセリフ回しへの称賛に喜びも「僕は英語は話せません!」
だがその一方で「(対象を)日系カナダ人に限定してしまうと、固有の独特のものになってしまう。極端に言えば『ニューヨークの朝日』でもベルリンでも東京でもよかった。息苦しさや『なんで自分はここで生まれたのか?』と感じる人々が立ち上がる話です。“生きづらさ”を感じている全ての人に理解し、受け入れてもらえるようにということを心掛けた」と日系人社会を描く上での思いを語った。
「頭で考えるのではなく、その時代の人になり、僕自身が這いつくばることが大事だと思った」と語る妻夫木さん。カナダの日系コミュニティで生きた人々に思いを馳せ、「日本人としての誇りや日本人だという思いもあるけど、カナダのバンクーバーで生まれ育ったという思いもあっただろうし、狭間にある状態だったと思う。差別を受ける苦しみだけじゃなく、野球を通じてささやかな幸せに喜びを感じていたとも思います。あまり差別を意識して演じるということはなかったです」とふり返った。
ここで描かれるチームの様子やリーダシップが、前世紀的な“スポ魂”の熱血ドラマ調ではなく、現代に近いソフトなコミュニケーションの中で描かれている点についても質問が飛んだ。石井監督は「僕が調べた上での想像ですが」