【インタビュー】伊勢谷友介×入江悠監督 三十代半ばで感じる“非・主人公”の楽しさと美学
やっていく中で自分の身に着いてきて、その人物に必要な空気感が少しずつ出せるようになってくるんです。特に必要以上に何も考えてなくて、流れに身をまかせた結果としてそのキャラクターに辿り着いているって感じです。演じている最中は(役の人物として)ムチャクチャ能動的に感じられるように意識してますが、全体を見るとすごく受動的に仕事してるんですよね(笑)。あとは、俳優って自分が観た他の映画から影響を受けているところもあると思いますよ。それから、僕は代表業(※株式会社リバースプロジェクト)をやっているので、その経験から出てくるものも大きい。やはり監督も仰ったとおり、その人のフィルターで何を善しとしてきたか?それは意識していなくても結果的に芝居に出ていると思ってます」。
原作小説ではシリーズが進むにしたがって、徐々に結城の秘められた過去や、その人間性についても描かれる。スパイアクションを堪能しつつ、結城に関しては伊勢谷さんと同じく“消化不良”と感じる欲張りな観客も多いはず。
30代後半から不惑の40代へと差し掛かるこの時期の伊勢谷さんにとっての“代表作”となるよう、さらなる続編を期待したい。
(photo / text:Naoki Kurozu)