【インタビュー】染谷将太×山崎貴監督 『寄生獣』“主犯”2人が共有した夢の温度
今回は何もないグリーンバックの中で『ドーン!』とか『ガーッ!!』って擬音だけが響きわたるという(笑)」。
先日の完成披露試写会の場で、共演者の新井浩文が染谷さんを「死んだ魚の目」という言葉で表現し、染谷さん自身も「ずっと言われ続けてきた」と平然と受け止め、笑いを誘っていた。強烈な言葉でありつつも、独特の存在感、他の誰にもない強烈な印象を抱かせる染谷さんを言い表した言葉で、言い得て妙でもある…。これが4度目のタッグであり、人間とパラサイトの間に位置する新一役に、染谷さんを望んだ山崎監督から見て、その魅力はどんなところにあるのだろうか?
「染谷は微調整可能なものすごく細かいダイヤルを振られているお芝居のテクスチャを持っていると思います。特に発声。(他の人間が)普通に発声しても、お客さんは自分のことのように感じず、『お芝居だな』と受け止める。でも染谷の声の出し方はちょっとだけ鼻声になったり、わずかなニュアンスを含ませることで、お芝居がドキュメンタリーになる瞬間があるんです。今回のような物語は、地に足をつけないと、何でもアリになって、単なる空想上の生き物が戦っている映画になっちゃう。
どこかで人間の暮らしと繋がっていないといけないんだけど、その時に染谷が持っているニュアンスはすごく生きるんです。