【シネマカフェ的海外ドラマvol.325】“アフター”「ゴシップガール」 女優レイトン・ミースターのキャリア
大恐慌時代のカリフォルニアを舞台に、農場を渡り歩く労働者ジョージとレニーの夢と現実、愛と絆に目が向けられます。ジェームズ・フランコがしっかり者のジョージを、クリス・オダウドが純粋過ぎるレニーを演じ、お互いの存在に寄り添って生きる2人の関係を目線、会話、笑顔、そして涙で繊細に築き上げてみせる中、レイトンは彼らが雇われる農場の尊大な後継者カーリーの美しい妻として登場。日々の労働を真面目にこなし、いずれ自分たちの農場を持ちたいと夢見るジョージとレニーは、トラブルの火種になりかねない彼女と距離を取ろうとします。
レイトン演じる“カーリーの妻”は、チャーミングであると同時に、どこか危険な香りが。美しさの自覚と男に向ける媚びた視線がトラブルを招く厄介なタイプでありながら、決してカリスマ性があるわけではなく、平坦な人生の中でくすぶるしかない者の哀愁に支配されている印象でした。選ばれしお嬢様、ブレア・ウォルドーフから一変、報われない美しさを持つ女のもがきが伝わってきて、女優レイトン・ミースターの“アフター・「ゴシップガール」”を示す作品としても成功していたように思います。ストーリー展開の詳細は控えますが、観終わった後も登場人物たちに思いを馳せて涙が止まらなくなる。