【インタビュー】生田斗真 30歳を迎え対峙する、“役者”という仕事
のは、役者として生きる生田さんの心情とも切り離せない。
「ここ最近、特に思うんですよね。人を喜ばせたいって。この仕事を始めて間もない頃はこんな役を演じたいとか、あんな作品に出てみたいとか、自分の満足度を高めるためというのが大きかった。でも、今はもうちょっと外に向けている感覚があるかもしれないです。以前よりも、観客のことを考えるようになった。ハードな作品ばかりやってもお客さんは飽きちゃうだろうから軽めのラブストーリーも届けたいなとか、この作品を作ったらお客さんはどう思うかな?とかって。誰かのために、なんて言うとカッコつけた言い方になっちゃいますし、じゃあお客さんのために芝居をするのかと言ったらそれはまた別の話なんですけど。
ただ、僕も30歳という年齢になって、人生観や考え方、作品に向かう姿勢が大きく変わってきました。震災を経たというのもありますし。結局、観てくれる人がいないと、自分という人間は成立しない」。
「この作品もね、ハードな内容なのかなと思って観に来てくれた人たちが、最終的に『あれ?なぜか涙が…』となって映画館を後にしてくれるんじゃないかなって」とにんまり妄想する姿には、観客への思いを強めた今の生田さんらしさが。