くらし情報『【シネマモード】P・ボグダノヴィッチ監督が手掛けるチャーミングなドタバタ劇『マイ・ファニー・レディ』』

2015年12月17日 21:40

【シネマモード】P・ボグダノヴィッチ監督が手掛けるチャーミングなドタバタ劇『マイ・ファニー・レディ』

描かれている恋愛騒動も、あくまでも他人事なので楽しく笑って見ていられるのが観客の特権。さらには舞台がニューヨークだけに、女性たちがシックでファッショナブルなのも見どころ。いかにも、いまどきのニューヨーカーらしく、ブラックでミニマルなアイテムに身を包んでいるのですが、ベルトやバッグ、シューズなどの小物合わせが、明日から参考にできそうで興味を引かれるところなのです。

なかでも、最も洗練されているのが、ジェニファー・アニストン演じるセラピストのジェーン。ファッションはシンプルなのに上質なものを選んでいるのがすっきりと無駄のないデザインに表れていて、いかにもN.Y.のセレブリティといった趣き。黒いトップとボトムスというコーディネートでも、細いホワイトのベルトですっきりウエストマーク。大ぶりのトートバッグも黒で合わせてすっきりインテリジェントな雰囲気にまとめているのも、お見事です。でもこの人が何しろ人の話を聞かず、常に“me,me,me…”の自己中心人間。
セラピストとしてはおろか、人間としても問題ありの要注意人物。彼女が、物語をどう引っ掻き回すかも面白さのひとつです。社会的に成功しているからといって内面は安定しているわけじゃないというところが、皮肉にも現代的。

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