【インタビュー】安田顕 現代の“怪優”の誕生のきっかけは「職場から逃げただけ」!?
いい具合で半歩先にあるのを随所に感じて面白かったです」。
――劇中劇やいろんな個性的な映画監督たちの撮影が面白かったですが、安田さん自身、これまでああいう現場を経験したことは?
安田:ホントの「あるある」というのは、映画で描いたって面白くないと思います(笑)。手錠はアクロバティックに掛けた方がいいですしね。映画の中に出てくる「日没でもう撮影できないから飲みに行こう」というのも、よほどの大作じゃなきゃないでしょうし、私はそういうのに呼ばれたことはないですね。そういう意味で、この映画は、日本の映画現場の「あるある」をデフォルメしたファンタジーだと思います。
――俳優を演じられたこの機会に、安田さん自身、どういう経緯で俳優として生きることを決めたのかを教えてください。
安田:もともとは大学のサークルの模擬店で、隣りの騒がしくて楽しそうな店が演劇部だったんです。こんな暗い自分も明るくなれるものかと門を叩いたんですが、結局、暗いままですね。
それからも「おれは絶対なる!」という強い思いを持ってやってきたわけではないですね。「海賊王におれは…」みたいに「(役者に)なるぞ!」と思ったことはないですね。