2016年3月19日 07:00
【シネマ羅針盤】3作品連続で出演者がオスカー受賞!『リリーのすべて』トム・フーパー監督の手腕
先日来日を果たしたフーパー監督は、当時駆け出しの俳優だったエディについて「感情が湧き出るような演技を見て、イギリスの素晴らしい俳優を見つけたと確信した」とコメント。一方、エディはジャパンプレミアの席で「オーディションでは、アリシアと舞踏会の翌朝のシーンを演じていた。なかなかカットがかからないから、ふと横をみるとトムが泣いていたんです」とアリシア抜てきの裏に、フーパー監督の涙があったことを明かしている。
俳優への演出に加えて、自作で扱うテーマや登場人物への深い感情移入と、それを繊細かつエモーショナルに映像化する知的感性に富んでいる点がフーパー監督の魅力だ。撮影、編集、プロダクション・デザインなど長年タッグを組むスタッフ陣との信頼関係も、作品に確かな強度を与えている。「本当の自分と出会う旅」「それを支える夫婦愛」という点で、『英国王のスピーチ』と『リリーのすべて』は共通点があるので、ぜひ見比べてほしい。
『リリーのすべて』は3月18日(金)より全国にて公開。(text:Ryo Uchida)
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