【インタビュー・前編】バズ・ラーマンが語る、「ゲットダウン」に込めたヒップホップへのリスペクト
止まらない音楽談義の中で、日本人である取材陣を意識してか、「YMO」の名前まで飛び出した。
ネルソン:その夏のことが忘れられないよ。僕はニューヨークのブルックリンにいたんだけど、突然道の向こう側から大きなサウンドシステムの音がしたんだ。僕はちょうど寝ようとしていたところだったんだけど、向かいに住む男が「チッチチチッチチ…」と音を出し始めて、それが一晩中続いた。そして僕たちは「ヨーロッパ特急」(※ドイツのテクノグループ「クラフトワーク」による77年リリースのアルバム。のちにブロンクスのDJであるアフリカ・バンバータの「プラネット・ロック」にてサンプリングされた)を聞くようになった。僕はイースト・ニューヨークのフッド(黒人街)に住んでいたのに、そこにいる奴らはドイツのコンピューター化された音楽をかけていたんだ。バズ:日本のバンドもあったよね。
ネルソン:「イエロー・マジック・オーケストラ」だよ!
フラッシュ:彼らのレコード手に入れたのを覚えてるよ。ダラス・ダンス・レコードのニックから電話をもらった。日本のレコードを手に入れたよ、と。「すぐ行く!」と言って、俺は電車に乗って行った。それで黄色いシースルーのレコード(※「YMO」