2016年10月16日 20:00
【インタビュー】鮨職人・中澤圭二 築地への愛、豊洲移転の不安を語る「築地がどれだけすごかったか」
その中のひとりとして、四谷「すし匠」の創業者である中澤さんも出演している。
シネマカフェでは、現在ハワイにて鮨職人としての挑戦を続ける中澤さんに、帰国のタイミングでインタビューを実施。『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』が描き出す築地の魅力について語ってもらった。
「豊洲移転を前に、どれだけ築地がすごい場所だったかということを、最後に映像として残せたということが素晴らしい。これだけ築地を写したのはこの映画がいままでで初めてだし、これからやろうと思ってもできないんですよ。なくなってしまうから」。築地市場という場所、そしてそこで働くひとびとの姿を、ここまで克明に捉えた映画が出来たことの喜びを語る中澤氏。それと同時に、なくなってしまうことがわかっているからこそ、これが最後になってしまうということへの寂しさが表情にあらわれる。
観光名所としても知られる築地市場だが、私たち日本人にとっては、身近なようで漠然としたイメージしか持っていない人がほとんどなのかもしれない。映画の冒頭、やわらい光の中進んでいくカメラに導かれるように築地の中へと入り込むと、そこで働く人々のリアルな存在感とライブな雰囲気に、圧倒されてしまう思いがする。