2016年10月21日 19:00
“スノーデン事件”が『ジェイソン・ボーン』にも影響!? ジョセフ・G=レヴィット主演『スノーデン』
『ボーン』シリーズの最新作『ジェイソン・ボーン』は、アクションの凄まじさは継続しつつ、ストーリーの面白さが際立つ。本作は、CIAの暗殺者養成プログラムが生んだ<最高傑作>ジェイソン・ボーンの新たな謎を追う物語となっているが、非常に現実味のある設定で構築されており、政府の諜報機関による膨大な個人情報の監視が現実に起きていることがリアルに描かれており、これは元CIA職員のエドワードが2013年に暴露した告発劇に通じるもので、SNSやITの大企業と政府が関与している設定もまさに現実そのものとリンクしているのだ。
また、来年公開予定のケビン・コスナー主演『クリミナル 2人の記憶を持つ男』も、CIAエージェントと謎のハッカーが絡むスパイアクション映画で、現実のスノーデン事件に酷似する設定。映画は時代を映すと言うが、2011年の9.11同時多発テロ、そしてそのテロ事件に端を発したアフガン戦争やイラク戦争以降、『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』『アメリカン・スナイパー』など、それらを題材にした作品が数多く製作、アカデミー賞をも受賞し、映画史にその名を刻んできた。スノーデン事件は、9.11やイラク戦争に匹敵するほどの歴史的出来事であり、スノーデン事件以降に製作されている社会派映画、スパイ映画の前提を大きく変動させていると言える。