くらし情報『【インタビュー】ギャスパー・ウリエル、グザヴィエ・ドラン監督作は「挑戦のしがいがあった」』

【インタビュー】ギャスパー・ウリエル、グザヴィエ・ドラン監督作は「挑戦のしがいがあった」

ちょっと逆説的だけどね」。
12年ぶりに帰郷したルイを迎えた家族は、沈黙を恐れるようにしゃべり続ける。
「言葉が仮面の役割のような形で機能している。ルイ以外の家族は、しゃべることで空間を飽和状態にして、その結果、ルイが何か言おうとするのを阻むことにもなる。沈黙が生まれ、自分自身と向き合わなければならないのが怖くて、ルイ以外はみんなしゃべりまくっているんだ」。
この映画ほど極端ではなくとも、誰しも似たような経験は覚えがありそうだ。家族ゆえの気持ちのすれ違いやコミュニケーションの難しさは「普遍的なテーマだと思う」とギャスパーは言う。
「僕自身、演じていて『あ、これは…』と自分に当てはまる部分がいくつもあった。
きっと映画全体というよりも、あるシーンに思い当たる節があって自己投影できる、そういう作品だと思う。ラガルスによる言葉の力であり、映画そのものの力でもあるけど、家族間の葛藤を知る人なら共感する、ユニバーサルな価値を持つ作品だと思う」。

それにしても、主演級ばかりが揃う豪華なキャスティングだ。兄の帰還を無邪気に喜ぶ妹はレア・セドゥ、確執のある兄はヴァンサン・カッセル、口下手な兄の妻にマリオン・コティヤール、そして自己中心の派手な母親はナタリー・バイ。

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