2017年4月12日 20:15
【シネマモード】ファッションはアートである――“メットガラ”の立役者に訊くキュレーターの使命
があれば教えてください。
それは特に無かったんです。僕は大学で文化人類学の文化理論を学んでいました。芸術であろうとファッションであろうと、そのプロセスに関わっていきたいという気持ちがあったので、それらの文化的な再解釈をどうやっていくかということに興味があったんです。
僕にとっては、アートを生み出すことに対してヒエラルキーにこだわることはありません。絵画であろうと、彫刻であろうと、どちらが重要であるかということは自分にとって意味はないのです。私にとって重要なのは、ファッションはいま現在作られているという点ですね。その制作プロセスにとても興味を感じたわけです。
そしてエッジを持っているし、民主主義的な性質も持っている。アーティスティックな制作物として定義づけるというのは、価格ではないと思いますし、どちらが優れているかということではないと思っています。
――では、ファッションの魅力とは?
ファッションというのは、トレンドによってどんどん変化していくことに魅了されますね。ファッションの持つパワーがトレンドによって左右される、それが魅力的なのです。
――美術館とキュレーターへの憧れが、現在の仕事を目指すきっかけになったと思いますが、キュレーターとしてのアンドリューさんの使命とは何だと思いますか?
いい質問ですね!我々の使命としては、展覧会をコンセプチュアルに挑戦的な形で作り出していくこと。