2017年5月14日 18:00
【シネマVOYAGE】恋愛・絆・出会い・別れ…列車の旅が印象的な作品は?
物語は、隠遁生活を送り世間から忘れ去られつつあるカミンスキーの伝記を書いて一儲けしようとするゼバスティアンが、スイスの山奥に向かうところから始まります。彼の家には気難しい娘が居て思うようにカミンスキーから話を聞き出すことができないため、ゼバスティアンはカミンスキーを家から連れ出すことを企み、そこから2人の奇妙なロードムービーが始まるわけです。スイスからフランス、ベルギーへと旅する2人。その途中に長距離列車でのエピソードもあります。
ちぐはぐな2人がわけあって一緒に旅をするなかで、いつしか友情が生まれる…というストーリーはありがちですが、この『僕とカミンスキーの旅』の面白いところは、盲目の85歳の画家を利用して一儲けしようとしていた31歳のインチキ美術評論家に主導権があると思いきや、実は逆、カミンスキーのほうが一枚上手だった?ちょっと意外な展開と結末が待っていることです。そして、観終わる頃にはすっかりこの映画の世界に魅了され、列車の旅を含めたスイス、フランス、ベルギーをまたぐ旅に出たくなりました。そのときには、もちろんこの映画の原作「僕とカミンスキー」(著ダニエル・ケールマン)も忘れずに持っていきたいと思います。(text:Rie Shintani)
(text:Rie Shintani)
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