【モアナを知ろう第2弾】モアナができるまで――5年間の研究で南太平洋の文化に「飲み込まれた」作品
■自然への敬意
昔から島の人々は「自然を頼りに」生活を送ってきた。映画の中に出てくる航海術や“ココナッツ”にもそれが描かれているが、方角や潮流を手で測って航海や漁業を行い、ココナッツは実を食べるだけでなく、木の葉や皮も衣服やものづくりに用いられるなど、常に自然の恩恵を受けながら生活をしている。そのため、島の人々は自然への敬意を持っている。そのような考えを持つタヒチやサモア諸島などの人々は、本作でもキーとなる「海」についてを次のように捉えている。“The ocean unite us”つまり、海はわれわれを隔てるものでなく、つなぐものという概念。ヴァイキングよりも前から様々な島へと船で海を渡り、かつ自然を大切にしてきた南太平洋の人々の独自の考えが、本作でも反映されている。このような古くからの考えが、モアナを海の冒険へと導いたのかも。
■16歳の少女が主人公になったワケとは
先ほども記したように、本作はポリネシアンミソロジーに記述された「マウイ」からスタートしている。しかし熟考とアイディアを重ねた結果、ディズニー・アニメーションは「モアナ」という新たな存在を生みだし、主人公に抜擢した。