【モアナを知ろう第2弾】モアナができるまで――5年間の研究で南太平洋の文化に「飲み込まれた」作品
航海に憧れ、海に選ばれた勇敢な“ヒーロー”が、なぜ女の子であるのか?それは、プロデューサーのオスナット氏曰く、「女性のエンパワーメント」を描きたかったからだという。さらに大人と子どもの間の16歳という時期に冒険に出ることが、感情の機微や素直さをうまく引き出せたのだとか。近年、「女性の強さ」をテーマにした映画作品も増えてきている中、本作では16歳の少女の等身大の弱さや、心の葛藤とともに、勇気ある行動や前向きな姿、ジェンダーを超えた「頼れるヒーロー」ぶりが描かれ、そんなモアナに元気をもらった人も多いはず。
■キャラクタービジュアルができるまで
本作には、キャラクターの“ビジュアル”にも島の文化が反映されている。島の男性にとって不可欠なものは、デザイン性に加え、自身の業績を表す「タトゥー」。タトゥーは一人前の男になった証でもあり、生涯で増やしていくべきものと言われている。
そんな自分のルーツや偉業が隅々に彫られた体を持つのが、本作でモアナとともに旅をするマウイ。またタトゥーだけでなく、髪の毛にもこだわりが。当初マウイはスキンヘッドの設定だったが、これを見た現地のスタッフに“NO!”と批判され、島の人々のアイデンティティーでもあるふわふわのウェービーヘアーが、アートディレクターのビル・シュワブらによって、モアナやマウイのビジュアルに決定された。