東京国際映画祭グランプリ『ブルーム・オブ・イエスタディ』9月公開決定
ホロコーストをテーマにしながら、オープニングから畳みかけるようなユーモアと毒舌の連続に、「笑っていいのかな」と思わずにはいられない、斬新な作風は驚きの連続。ナチスの戦犯を祖父に持つ男と、ナチスの犠牲者となった祖母を持つインターン女性が出会い、自らのルーツを探す旅を通して、過去に囚われていた自分たちの人生を再発見していく。
主人公のトトに扮するのは、オリヴィエ・アサイヤス監督の『アクトレス ~女たちの舞台~』『パーソナル・ショッパー』などで知られるラース・アイディンガー。都会的でスマートな役柄が多かった彼が、人生につまずきっぱなしの人間味にあふれた男を、情感をこめて演じた。
また、ザジ役にはダルデンヌ兄弟監督の『午後8時の訪問者』でも高く評価されたアデル・エネル。いま、最も期待されているフランス若手女優の1人で、本作では撮影前にはひと言も話せなかったドイツ語をマスター。おかしくて、やがて切なくなるほど大胆不敵な役柄を、果敢に演じている。
過去を嘆くだけの時代に終止符を打ち、未来を希望と共に生きようとする世代のために、新しいアプローチで戦史に迫った本作。
ナチス映画の歴史が変わる!?エポック・メイキングな物語といえそうだ。