“愛と自由”に生きた女優、ジャンヌ・モローを偲んで…彼女が残した名言たち
より)
老いに対する恐怖は、年齢そのものよりも人を老いさせるのよ。(「マダム・フィガロ」2008年1月19号より)
歳をとると、人は自分の殻に閉じこもって頑固になる、と昔から言われているけれど、私の場合は、時が経つにつれて皮膚がどんどん薄くなっているわ。すべてを感じ取り、すべてが見えるの。(「ル・モンド」紙電子版7月31日付追悼記事中より。80歳になる直前の発言)
■仕事について
役というのは、脱ぎ捨てられる皮膚みたいなものだけど、(演者の中に)痕跡は残る。だから人間というものを知るためには素晴らしい方法なのよ。(「L’art du theatre」1988年8~10号より)
名声には感謝している。女優の仕事がもたらした成功についても。
でも、権力と結びつく意味での成功は受け入れないわ。(「L’art du theatre」1988年8~10号より)
近年ではフランソワ・オゾン監督の『ぼくを葬る』(05)やマノエル・ド・オリヴェイラ監督の『家族の灯り』(12)に出演、『クロワッサンで朝食を』(12)に主演するなど、歳を重ねても現役で活躍し続けたジャンヌ。老練というより軽やかさ、瑞々しさすら感じさせる演技は、彼女の老いの哲学を具現化している。