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世界三大映画祭の常連で、映画ファンからも高い支持を得ている監督の一人として挙げられるフランソワ・オゾン監督。最新作『私がやりました』は、本国フランスで100万人を動員する大ヒットを記録して話題となっています。そこで、日本公開を前に主演を務めたこちらの方にその魅力についてお話をうかがってきました。ナディア・テレスキウィッツさん【映画、ときどき私】 vol. 612パリで起きた有名映画プロデューサー殺人事件で、容疑者から一躍スターになる若手女優のマドレーヌを演じたナディアさん。フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞では有望若手女優賞を昨年受賞し、今後の活躍が期待されている注目の存在です。今回は、現場の様子や大女優との共演エピソード、そして日本での忘れられない思い出などについて語っていただきました。―フランソワ・オゾン監督といえば、現在のフランス映画界を代表する監督の一人でもありますが、ご一緒されてみていかがでしたか?ナディアさん今回は私たちと一緒に1930年代に飛び込んでくれましたが、彼は毎回違う世界観の作品を描き続けているので、本当にユニークな映画監督だと思います。映画を作るのが楽しくてたまらないというのも伝わってきて、少年のような心を失っていない映画監督なんだなという印象を受けました。―どのような演出をされていたのかについても、教えてください。ナディアさん演技指導はとても細かいですが、いつも優しく付き合ってくださるので、監督との仕事は何にも変えられない喜びでした。オゾン監督は同じ俳優を繰り返し起用することが多いというのもあって、俳優たちとファミリーのような関係性を作り上げていますが、周りとの向き合い方も素晴らしいと思ったところです。とても尊敬しています。この作品ではそういう方々に囲まれて演じることができて私はとても幸せでしたが、監督自身もみんなと一緒に映画を作れることをすごく喜んでいるのを感じたほど。そんな彼のファミリーの一員になれていたら、とても光栄なことだと思っています。イザベル・ユペールさんには発見もあった―共演者であるイザベル・ユペールさんにも以前取材させていただいたことがありますが、本当に素敵な方でした。フランス映画界が世界に誇る大女優との共演では、どんなことを感じましたか?ナディアさんイザベルさんとの共演ということで、実は少し萎縮してしまうのではないかなと考えていたことがありました。でも、現場でご一緒してみたら、そんなことはまったくない。本当に素晴らしい演技をする方なので、共演をしてみて刺激を受けました。でも、普段はとても“普通の方”なので、それは発見でしたね。あと、これはイザベルさんだけではなく、みんなに言えることですが、この現場に来ることや役を演じること、そしてこの物語を語れることに幸せを感じているのが伝わってきました。父親役のベテラン俳優であるアンドレ・デュソリエさんなんて、「オゾン監督の現場に来たら、ゼロからはじめなきゃいけないんだよ」と言っていたほど。そういう気持ちで現場にいるというのはすごく美しいことだなと実感しました。―また、劇中ではマドレーヌが家父長社会であった時代に女性の権利を自分でつかみ取ろうと徐々に変化していく姿が描かれているのが印象的でした。ナディアさんマドレーヌは自分の考えよりも、都合のいいほうに動こうとする日和見主義的なところが最初はありましたが、ある時点から彼女の言動が政治的になり、いろんなことを自覚するようになっていきます。特に、1935年頃といえば、女性には選挙権もなく、小切手を持つことさえも許されていなかった時代。自由も平等もなかったからこそ、自分自身の声を聞いてもらいたいという思いが、いつしか家父長制度に対する反抗や権利を主張へと繋がり、マドレーヌを変えていったのです。これからも戦い続けなければいけないと感じている―まだまだ男性社会と言われている映画界のなかにいるという意味では、ご自身にも通じるところはあったのでは?ナディアさん確かに、この話には2023年を生きる私たちにも共鳴する部分があると感じています。実際、私たち女性にとって、まだまだ道のりは長いなと感じることもありますから…。だからこそ、俳優として現代に通じるメッセージ性を持った映画で、そういう思いを抱えた女性を演じられたことは私にとってはうれしいことでした。最近のフランス映画界でも、興味深い女性の役はどんどん増えていますし、女性監督も台頭してきているので、それは素晴らしいことですよね。でも、これからも女性は戦い続けなければいけないなとは感じています。―確かにその通りですね。また、マドレーヌのようにピンチがチャンスに転換したような経験はありますか?ナディアさんこれはいい質問ですね!最悪から最高という話ではありませんが、実はもともと俳優を職業にするつもりはなくて、最初はお小遣いや家賃を稼ぐつもりで始めたのがきっかけでした。その後も学業のかたわらで演技を続けていましたが、それがうまくいき、いまでは俳優が仕事になったので、それが私の人生のなかで大きく変わったことだなと思います。あと、マドレーヌとの共通点をあげるとすれば、あまり先のことを考えずに行動する部分かなと。生きることが素直に楽しいと思えるところも、似ている気がします。でも、私は嘘をつくことにストレスを感じるタイプなので、マドレーヌみたいに嘘はつけないですね(笑)。日本の文化には感動すら覚えている―では、日本にまつわるエピソードや日本の好きなものなどがあれば、お聞かせください。ナディアさん2019年の東京国際映画祭で最優秀女優賞をいただいたのですが、ありがたいことにみなさんから温かいおもてなしをしていただいて、「私はなんてラッキーなんだろう!」と思いました。でも、実はそのもっと前から日本との縁というのを私はずっと感じていたんですよ。というのも、私はフランスとフィンランドのハーフなんですが、フィンランドには日本の庭園がとても多く、日本に魅了されているおじいちゃんとよく一緒に散歩していたからです。あとは、宮崎駿監督の映画は何回も観ていますし、日本映画や日本文学も大好き。いまは、村上春樹さんの本を読んでいます。日本人の他人に対してリスペクトがある文化には、感動すら覚えているほどです。―そのように言っていただけてうれしいです。ナディアさんそれからもうひとつ、来日したときに驚いたのはムーミンの人気がすごいこと。フランスではほとんど知られていないのに日本ではみんな知っていて、「ムーミンはメイド・イン・ジャパンです」なんて言っていた人もいたくらい(笑)。「フィンランドの漫画ですよ」といっても信じてもらえなかったのですが、それくらい浸透しているんですよね。―フィンランドと日本には、通じ合うものがあるのかもしれません。ナディアさんだとしたら、とっても素晴らしいことですよね!信念と確信を持って進んで行けば大丈夫―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。ナディアさん若い頃はまだ自分が何者かをわかっていない時期でもあるので、なかなか難しいこともあるかもしれません。私自身もまだ模索している最中なのでアドバイスをするのはおこがましいですが、言えるとすれば「好奇心を持ち続けること」。自分の殻に閉じこもらずに、外の世界にアンテナを張り続けるのは大事だと考えています。それからもうひとつは、「簡単に諦めてはいけない」ということ。すぐにダメだと感じてしまう人も多いと思いますが、もう少し辛抱したうえで、「信念と確信を持って進んで行けば大丈夫!」という気持ちを忘れないでほしいです。どんなことでも、とことん最後まで突き詰めてみてもらえたらと思っています。インタビューを終えてみて…。終始ニコニコとかわいらしい笑顔を浮かべていて、とにかくチャーミングなナディアさん。一瞬で相手を惹きつける魅力があるだけに、オゾン監督が自身の作品で主演に抜擢したのも納得です。今後、幅広い役柄でフランス映画界を盛り上げてくれる存在となるのを期待したいと思います。激しい駆け引きから目が離せない!ユーモアを織り交ぜつつ、クライマックスまで見事な盛り上がりで観客の心をつかむオゾン流クライムミステリー・エンターテインメント。最高にお洒落で魅力的な女性たちの姿にも、誰もが虜になってしまうはずです。取材、文・志村昌美ストーリーパリの大豪邸で有名映画プロデューサーが殺され、貧乏な若手女優マドレーヌが容疑をかけられる。法廷に立たされた彼女は、正当防衛を主張。ルームメイトで新人弁護士のポーリーヌが書いた「自分の身を守るために撃った」という完璧なセリフを読み上げ、見事に無罪を獲得するのだった。悲劇のヒロインとして時代の寵児となり、容疑者から一躍人気スターの座へと駆け上がったマドレーヌ。豪邸に引っ越し、ポーリーヌと優雅な生活を始めるが、とある女性が彼女たちを訪ねてくる。その女性とは、いまや目にすることも少なくなったかつての大女優オデット。彼女は、プロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も、自分のものだと主張するのだった。果たして、「犯人の座」は誰の手に…。続きが気になる予告編はこちら!作品情報『私がやりました』11月3日(金・祝)TOHO シネマズ シャンテ他 全国順次ロードショー配給:ギャガ(C)Marta Bevacqua(C) 2023 MANDARIN & COMPAGNIE ‐ FOZ ‐ GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA ‐ SCOPEPICTURES – PLAYTIME PRODUCTION
2023年11月02日フランスで100万人を動員したサスペンス・コメディ『私がやりました』が、11月3日(金)に公開される。監督は、日本でも人気のフランソワ・オゾン。どこから見てもオシャレ感ただよう1930年代のパリが舞台。成功を夢見る“ひよっ子女優”とルームメイトの“新人女性弁護士”が、有名映画プロデューサーの殺人事件に巻き込まれ、いや、あえて巻き込まれて、人生を変えていく、……なんてだけじゃ終わらない、エスプリの効いた作品だ。『私がやりました』フランソワ・オゾン監督作品は、ことし日本公開3本目。2月に公開された『すべてうまくいきますように』(2021)は、安楽死がテーマの人間ドラマでソフィー・マルソーが主演。6月の『苦い涙』(2022)はドイツの鬼才ファスビンダー作品をリメイクした風刺ドラマ。イザベル・アジャーニが出演していた。そして本作はサスペンス・コメディ。オゾン監督の、映画の素材選び、役者選びは自由自在なのだ。舞台は、1930年代のパリ。新人女優のマドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)は、映画プロデューサーの大御所に声を掛けられ豪邸を訪ねるが、役とバーターで愛人関係を要求され失意のまま帰宅。しかしこともあろうにそのプロデューサーの殺害事件が起きて、彼女が容疑者となってしまう。恋人との仲もうまくいかず、気分はどん底。そんな窮地の中、彼女のルームメイトのポーリーヌ(レベッカ・マルデール)が、「これは逆にチャンスかも…」とある計画を思いつく。それは、犯行を自供し、「身持ちの堅い女性が男性に襲われて名誉と身を守るために反撃した」と正当防衛を主張、これで名声を勝ち取るという法外な案だった。果たして、法廷で、“パワハラ被害にあった新人女優”を演じきったマドレーヌは無罪を勝ち取ると、悲劇のヒロインとして一躍時の人に。ポーリーヌにも弁護のオファーが殺到。すべてが順調に動くように思えたが、そこに、とんでもない“ヴィラン”の登場。すっかり落ちぶれたサイレント時代の大女優・オデット(イザベル・ユペール)が現れて……。破天荒な展開なのだが、映画にテンポがあって、どんどんとのせられてしまう。いまのフランスを代表する俳優、イザベル・ユペール。これが、主役でなく、どちらかというと脇の、しかも悪女役。登場した途端、その存在感たるやスゴイ。主役を演じるナディアとレベッカのふたりは、若手有望女優といっていいが、ユペールを始め、脇役はシブい役者が揃った。オゾンの『すべてうまくいきますように』で父親役を演じたアンドレ・デュソリエ、『しあわせの雨傘』のファブリス・ルキーニ。今年4月に公開されたクリスチャン・カリオン監督の『パリ・タクシー』で主演したダニー・ブーンも、ちょっとウサンくさく見えるところが魅力のステキな役を演じている。そんな登場人物たちを一層際立たせているのが、気配りの行き届いた、セットや衣装などのディテール。時代は1935年の設定。第二次世界大戦までにはまだ多少時間がある。アールデコの時代が続いている。そんなパリの小さな通りをセットで作り、ヨーロッパの各地に残る建造物でロケもして再現。衣装は当時の雰囲気を壊さない程度に現代的なアレンジを加えている。オゾン監督は、「1930 年代スタイルを楽しみながら再現したけれど、一見時代遅れに見える素材を使っ て、今の時代にも通じる生き生きとしたテンポ感で、現代性を強調することができたんじゃないかな」と語っている。映画マニアでもある監督。本作でその「精神を模倣したい」と考えて、参考としてスタッフに観させたのは、エルンスト・ルビッチや、サッシャ・ギトリ(そういえばことし春、シネマヴェーラ渋谷で特集上映があった)のソフィスティケートなコメディ。マドレーヌとポーリーヌが映画に出かけるシーンで、映画館にかかっているのは『ろくでなし』(1934、『悪い種子』と訳されることもある)。ルビッチの弟子ともいえる名匠ビリー・ワイルダーがナチスドイツから逃れ、フランスで撮影した記念すべき監督デビュー作である。たしかに、この映画、本作のちょっとした人間関係と似たところがあるような。そんなふうに、古き良き映画の匂いも漂わせながら、監督が遊び心いっぱいで楽しく創った作品。上映時間は1時間43分。ちょうどいい感じ。文=坂口英明(ぴあ編集部)(C) 2023 MANDARIN & COMPAGNIE - FOZ - GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA - SCOPE PICTURES - PLAYTIME PRODUCTION
2023年10月30日フランソワ・オゾン監督が“『8人の女たち』『しあわせの雨傘』に続く、女性の人生を魅力的に探究したトリロジーの最終章”と定義している最新作『私がやりました』。クライムミステリーでありながらコメディ要素が強く、誰もが楽しめるエンタメ作品である本作の製作の裏側を明かすフランソワ・オゾンのコメントが到着した。まず企画の成り立ちについて、「映画の企画を考えていた当時は、コロナ禍のロックダウンやウクライナでの戦争などで社会が落ち込んでいる時でした。厳しい現実と戦うためにも、気まぐれさや明るさが必要な時代だと思ったんです」と監督。「だから僕は、自由な登場人物たちが、テンポ良く気の利いた会話を繰り広げ、どんどん事件が展開していくコメディを描こうと思い付いたんです」と、時代のニーズにあわせた作品を提案したと明かす。物語のアイディアを得たのは、1930年代に書かれた戯曲から。大まかな筋書きは戯曲を活かしつつ、現代性を反映し“オゾン流”に脚色しており、その理由を「登場人物や細かな設定は新しく加えたけれど、女性が抱える問題に関しては1930年代の文脈を保ったんです」と言う。そして「男性社会に抑圧されていた女性たちを描いていたら、現代にも通じる問題にたどり着いたからね」と、脚色の際に新たな視点を発見したことを語る。さらに、「『しあわせの雨傘』から約10年、『8人の女たち』からは20年以上が過ぎました。『8人の女たち』では家父長制を否定し、『しあわせの雨傘』では家母長制を描いたから、今回はフランス社会を支配する家父長制の中で女性たちが生き抜いていく姿を描きたいと思ったんです」と過去作にも通ずるテーマで映画を作ることを決めたという。時代背景のリサーチを通して、オゾン監督が強く興味を引きつけられたのは、当時実際に起きた殺人事件の数々。「当時の女性は選挙には投票できないし、小切手も持てませんでした。そんな時代のニュースを飾ったのは、多くの女性犯罪者だったんです」といい、「性的虐待を受けていた実の父親を殺害したヴィオレット・ノジエールや、非道なハラスメントを理由に雇用主を殺害した使用人のパパン姉妹が有名どころ。100年前に女性が犯人だということから大きな注目を集めた事件を、現代の視点で見てみたら興味深いと思った」と、現代にも通ずる“女性の自立”を妨げるもののヒントを得たという。「『私がやりました』の主人公は若い2人の女性。貧乏で家賃が払えず困窮しているのだけど、知性と洞察力を武器に窮地を脱するんです。大げさで予想外でドラマチックな茶番劇の中でバカバカしさを煽るっていう演劇的手法は、この物語にとっては理想的なやり方だったと思います。一見時代遅れに見える素材を使って、今の時代にも通じる生き生きとしたテンポ感で、現代性を強調することができたんじゃないかな」と語り、作品の出来に自信をのぞかせている。『私がやりました』は11月3日(金・祝)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年10月29日映画『私がやりました』が11月3日(金・祝) に公開される。このたび、本作のメガホンを取ったフランソワ・オゾン監督と、若々しいヒロイン2人に立ちはだかる重要なキャラクター・オデット役を演じたイザベル・ユペールがお互いを讃え合うコメントが到着した。オゾン監督が今回題材に選んだのは、ユーモアとブラックジョークにあふれたクライムミステリー。ある事件の“犯人の座”を巡って、年齢も性格も異なる女性3人が駆け引きを繰り広げていく一風変わったストーリーになっている。主人公のマドレーヌとポーリーヌ役は、ナディア・テレスキウィッツとレベッカ・マルデールが演じる。オゾン監督とユペールがタッグを組むのは、2002年公開の映画『8人の女たち』以来21年ぶり。ユペールのキャスティングと撮影秘話を聞かれたオゾン監督は、「イザベル・ユペールはとても好きな女優。彼女のおかげで、僕自身映画監督の道を進んでこれたんだ」と自身のキャリアはユペールによって築かれた、と言わんばかりの強い思いを告白。続けて「僕はシネフィルで、イザベル・ユペールが出ている作品はほとんど網羅していたね。そんな映画好きの僕が『8人の女たち』で彼女と一緒に仕事ができたことは本当に夢のようだった」と昔からユペールの大ファンだったことも明かす。ユペールといえば、繊細であまり感情を出さない人物を演じることが多いが、オゾン作品では“コメディ・タッチ”な彼女を見ることができる。そのことについて「これまで彼女は、日本映画に出てくる女性のように、あまり感情を大げさに表現せずにただ涙を一筋をこぼすような役が多かったよね。そんな彼女が、僕のコメディでははじけてくれる。今回の作品でも『8人の女たち』でも、すごく誇張された、過剰な演技をしてくれたんだ。そんな彼女の演技は観客たちには大ウケするんだよ!」とオゾン作品でしか見ることができない彼女の魅力を嬉しそうに語った。また、ユペールは本作の脚本を最初に読んだ時のことについて「皆が犯人の座を奪い合うというプロットはねじれているけれど、そこにオゾンならではのフェミニズムがきちんと表れている。現代的で社会的な問題を、ユーモアをもって映画に取り入れているという点がオゾンの聡明さなの。シリアスな出方にはまった映画の形で伝えるのではなく、ちょっと迂回して、少し反道徳的で不敬なものも取り入れて描いてしまうのがオゾンのすごさ」とオゾンの独創的なアイディアを絶賛。さらに、フランスで動員100万人超えのヒットを記録している理由については、「彼の作品は毎回フランスでヒットするのよ。『グレース・オブ・ゴッド』のようなシリアスな作品から今回のようなコメディまで。彼の描くコメディは大衆にウケる面白いポイントをしっかりと押さえながらも、単なるドタバタ劇ではなく知性を感じるコメディなの」とフランスにおけるオゾンの人気の高さと、監督としての秀才ぶりを称賛した。<作品情報>映画『私がやりました』11月3日(金・祝) 公開公式サイト: MANDARIN & COMPAGNIE - FOZ - GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA - SCOPE PICTURES – PLAYTIME PRODUCTION
2023年10月24日フランソワ・オゾン監督作として、フランスで『8人の女たち』『しあわせの雨傘』に次ぐ動員100万人超えの大ヒットとなった『私がやりました』。パリの大豪邸で起こった有名映画プロデューサー殺人事件を描く本作で主役に抜擢されたのは、フランスの若手女優、ナディア・テレスキウィッツとレベッカ・マルデールの2人。オーディションから選ばれた、まだ知られざる彼女たちの魅力を本人たちとオゾン監督からのコメントを交えてたっぷりと紹介する。イザベル・ユペールやカトリーヌ・ドヌーブ、シャーロット・ランプリングなど、フランス映画界の名だたる俳優たちがこぞって出演を熱望する名匠フランソワ・オゾン。名優たちに愛される一方で、『焼け石に水』『8人の女たち』『スイミング・プール』のリュディヴィーヌ・サニエ、『17歳』のマリーヌ・バクト、『Summer of 85』のフェリックス・ルフェーヴルとバンジャマン・ボワザンなど、新人俳優の発掘にも定評がある。ちなみにルフェーヴルは本作で記者役として出演しており、早くもオゾンファミリーに仲間入りを果たしている。そんなオゾン監督が最新作の主人公マドレーヌとポーリーヌ役に選んだのが、ナディア・テレスキウィッツとレベッカ・マルデールだ。セザール賞・有望若手女優賞フランスの新星【ナディア・テレスキウィッツ】本作では売れない若手女優を演じたナディア・テレスキウィッツ。これまでの出演作では『悪なき殺人』(19)で東京国際映画祭の最優秀女優賞、『Les Amandiers』(原題・22)ではフランス版アカデミー賞といわれるセザール賞の有望若手女優賞を受賞するなど、期待の新鋭として世界から注目を集めている。彼女が演じる本作の主人公マドレーヌは、自由奔放で無邪気な、行き当たりばったりな性格の女優。プロデューサー殺人事件に巻き込まれ、一躍「悲劇のヒロイン」として大スターに成り上がる。今回、1930年代の女優を演じるにあたって、ナディアは「ハリウッドの古典映画からヒントを得た」と述べ、役作りに挑んだという。また、もう1人の主役レベッカ・マルデールについて、「オーディションの時から彼女と私はすごく気が合った。きっと私たちは心を通わせることができると思いました」と実際の相性の良さが伺える話も。さらに、「フランソワが集めたイザベル・ユペール、アンドレ・デュソリエ、ファブリス・ルキーニ...素晴らしい俳優たちと一緒に仕事ができるのは、とても刺激的で、夢のような毎日でした」と、オゾン監督の新作に集った名俳優たちとの貴重な体験も語った。ナディアは今年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品された、ブノワ・マジメルとの共演作『ロザリー』(24)で多毛症の女性という役どころに挑んだり、次回作ではエル・ファニング、クリストファー・アボットら実力派俳優との共演を果たしたりと、世界的スター俳優への飛躍が期待されている。世界最古の劇団出身・演技派女優【レベッカ・マルデール】1680年から続く、由緒正しきフランスの劇団“コメディ・フランセーズ”出身のレベッカ・マルデールは、舞台での経験を活かし、今回主演の座を勝ち取った。オゾン監督からは彼女を起用した理由について「才能があることはもちろん、本作はセリフが文学調なのでそれを問題なく滑らかに発声できる女優であることも大切でした。そういった意味で、彼女はコメディ・フランセーズでの経験があるので、文学的セリフをこなすことについては非常に長けていました」と、レベッカの演技力を大絶賛する。そんな彼女が演じる役柄は、まだ駆け出しの弁護士。プロデューサー殺しの容疑をかけられた同居人のマドレーヌを助けるべく、弁護士として一世一代の勝負をかけて奮闘する。レベッカは「この脚本は私にとって、馴染みがありながらも、映画という新たな世界に誘ってくれるものでした」と、運命の出会いとなったことを語る。これまで舞台で活躍してきた彼女にとって、本格的に映画進出する新たな扉を開くきっかけになったようだ。また、「今回のチームには劇団のような団結の精神があった。大御所の俳優も若手の私たちも対等に扱われるし、彼らと一緒に演技をすることで、私たちもどんどん高揚していきました。私たちはまるで子どもが遊んでいるみたいに夢中になり、その喜びはスタッフにも伝わっていって、みんなで力を合わせてこのコメディに命を吹き込んだのです」と撮影現場の様子も明かした。フランソワ・オゾン監督から見た、それぞれの魅力オゾン監督は主役2人のキャスティングについて、「主演女優2人の選考には、映画を背負って立つだけの高い演技力が必要だったから時間をかけました。ナディアとレベッカのことはキャスティングの時に知って、彼女たちの出演作を見ていなかったので、どうなるか分からなかったけれど、一緒にリハーサルや台本読みを重ねて、2人の間に強いつながりを感じんです」という。「友情を語る映画だから相性は大事です。2人は互いにライバル視せずに協力関係にありました。安定感のあるコンビですし、大物共演者にも負けない」と本作の友情を象徴するような2人の相性、そして主演にふさわしい理由を熱く語っている。これまでの作品でも新人俳優と大物俳優をキャスティングし、その素晴らしい化学反応を楽しんできたオゾン監督は、「僕は作品のなかに有名な俳優と若い俳優を共存させるということがとても気に入っています。そうすることで、錬金術のようなものが生まれるんです。そして僕自身も俳優たちと共犯関係で作品を作っていくというのが、僕のパターンなんです」とオゾン流キャスティングの秘訣も明かした。『私がやりました』は11月3日(金・祝)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年10月12日映画『私がやりました』が2023年11月3日(金・祝)に公開される。監督はフランソワ・オゾン。フランソワ・オゾン監督映画『私がやりました』映画『私がやりました』は、『Summer of 85』や『苦い涙』などを手掛けてきた監督フランソワ・オゾンが贈るクライムミステリー・エンターテインメント。パリの大豪邸で起こった有名映画プロデューサー殺人事件の“犯人の座”をかけた、3人の女たちによる駆け引きと悪だくみを描いた作品だ。本国フランスでは、フランソワ・オゾンが手掛けた映画『8人の女たち』と『しあわせの雨傘』に次ぐ、動員100万人越えのヒットを記録した。主人公のマドレーヌとポーリーヌの正反対の性格の2人を演じるのは、ナディア・テレスキウィッツとレベッカ・マルデール。2人の前に立ちはだかるヴィランのオデットはイザベル・ユペールが演じる。マドレーヌ…ナディア・テレスキウィッツ売れない新人女優。有名映画プロデューサーに襲われそうになったところを必死で逃げだし、ルームシェアをする親友ポーリーヌのもとへと向かう。彼女に出来事を打ち明けるが、すぐに警察がやってきてマドレーヌは事件の容疑者に。法廷で演技力と美貌を活かした陳述を披露し、一躍「悲劇のヒロイン」としてスターに。ポーリーヌ…レベッカ・マルデール新米弁護士。正当防衛を主張するようマドレーヌに完璧な台本を用意し、見事無罪を勝ち取る。オデット…イザベル・ユペールマドレーヌとポーリーヌに、「プロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も、自分のものだ」と訴える。ラビュセ判事…ファブリス・ルキーニパルマレード…ダニー・ブーンマルセイユ出身の成金。ボナールマドレーヌの恋人の父で大企業の社長。映画『私がやりました』あらすじ有名映画プロデューサーが自宅で殺された。容疑者は売れない新人女優マドレーヌ。プロデューサーに襲われ、「自分の身を守るために撃った」と自供する彼女は、親友で駆け出しの弁護士ポーリーヌと共に法廷へと向かう。2人は正当防衛を訴える鮮やかな弁論と感動的なスピーチで裁判官や大衆の心をつかみ、見事無罪を勝ち取る。それどころか、マドレーヌは「悲劇のヒロイン」として一躍時の人となり、大スターの座へと駆け上がっていった。ところが、そんなある日、2人の前に謎多きかつての大女優オデットが現れる。彼女は、「プロデューサー殺しの真犯人は自分だ」と訴えるのだった。こんなに魅力的な“犯人の座”は渡せない……果たして、3人の駆け引きと、悪だくみの行方は?【作品詳細】映画『私がやりました』公開日:2023年11月3日(金・祝)監督・脚本:フランソワ・オゾン出演:ナディア・テレスキウィッツ、レベッカ・マルデール、イザベル・ユペール、ファブリス・ルキーニ、ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ配給:ギャガ英題:THE CRIME IS MINE© 2023 MANDARIN & COMPAGNIE - FOZ - GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA - SCOPE PICTURES – PLAYTIME PRODUCTION
2023年09月08日フランソワ・オゾン監督最新作『The Crime Is Mine(英題)』が、邦題『私がやりました』として11月3日(金・祝)より公開されることが決定。ポスターと予告編が解禁された。有名映画プロデューサーが自宅で殺された。容疑者は、売れない新人女優マドレーヌ。プロデューサーに襲われ、「自分の身を守るために撃った」と自供する彼女は、親友で駆け出しの弁護士ポーリーヌとともに法廷へ。正当防衛を訴える鮮やかな弁論と感動的なスピーチで裁判官や大衆の心をつかみ、見事無罪を勝ち取る。それどころか、「悲劇のヒロイン」として一躍時の人となったマドレーヌは、大スターの座へと駆け上がっていく。ところが、ある日、2人の前にオデットという女が現れる。プロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も、自分のものだというのだ!こんなに魅力的な“犯人の座”は渡せない…。果たして、3人の駆け引きと、悪だくみの行方は?フランソワ・オゾン - (C) Getty Images本作は、フランスが誇る名匠フランソワ・オゾンの最新作。本国では過去にオゾンが手掛けた映画『8人の女たち』(02)、『しあわせの雨傘』(10)に次ぐ、動員100万人超えの大ヒットとなっている。主人公のマドレーヌとポーリーヌ役には、ナディア・テレスキウィッツとレベッカ・マルデール。正反対の性格の2人をそれぞれ魅力的に演じ、チャーミングな凸凹コンビを作り上げた。2人の前に立ちはだかるヴィランのオデットを演じるのは、強烈なインパクトで登場するイザベル・ユペール。さすがの貫禄で観客の視線を釘付けにする。解禁された予告編では、3人の女たちが「犯人の座」をかけて争う様子が映し出されている。有名映画プロデューサーに襲われそうになり、必死で逃げだしてきたマドレーヌは、ルームシェアをする親友ポーリーヌに出来事を打ち明ける。しかしすぐに警察がやってきてマドレーヌは事件の容疑者に。新米弁護士でもあるポーリーヌは正当防衛を主張するようマドレーヌに完璧な台本を用意する。その演技力と美貌を活かし、人々の心を揺さぶる陳述を披露した彼女は一躍「悲劇のヒロイン」としてスターに。そんな彼女たちのもとにやってきたのは物語の鍵を握る謎多きかつての大女優オデット。「こんにちは、子猫ちゃん」と怪しく微笑みながら2人に近づく彼女は、「成果を手にすべきなのは私」と主張し、犯人の座を狙っていることが判明!“全員が犯人の名乗りをあげる”という予想外の展開でミステリーが動き出す…。果たして、本当の犯人は一体誰なのか?併せて解禁となったポスターでは、マドレーヌとポーリーヌとともに、一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちの姿がお目見え。キュートな犯人“立候補者”たちが、曲者たちを巻き込みながら真犯人の座を巡って起こすひと騒動を予感させるポスターとなっている。『私がやりました』は11月3日(金・祝)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年09月05日本日から劇場公開されたフランソワ・オゾン監督最新作『苦い涙』の本編映像が公開された。本作は、1970年代ドイツのアパルトマンを舞台にした室内劇。主人公の映画監督ピーターが、美しい青年アミールに翻弄され恋に溺れていく様を風刺やユーモアをふんだんに織り交ぜて描き、「人を愛するということとは何なのか」という根源的な問いを驚くほど軽やかに投げかけるメロドラマだ。著名な映画監督ピーター・フォン・カント(ドゥニ・メノーシェ)は、恋人と別れて激しく落ち込んでいた。助手のカール(ステファン・クレポン)をしもべのように扱いながら、事務所も兼ねたアパルトマンで暮らしている。ある日、3年ぶりに親友で大女優のシドニー(イザベル・アジャーニ)が青年アミール(ハリル・ガルビア)を連れてやって来る。艶やかな美しさのアミールに、一目で恋に落ちるピーター。彼はアミールに才能を見出し、自分のアパルトマンに住まわせ、映画の世界で活躍できるように手助けするが……。公開された映像は、主人公の映画監督ピーターが美青年アミールに一目で恋に落ちるシーン。ピーターのアパルトマンを、親友であり恩人のスター女優シドニーが3年ぶりに訪問する。恋人と別れて落ち込んでいるピーターが、久しぶりに訪れたシドニーに「人間は他者を求めるが一緒には生きられない」と言い放つところから始まる。ほどなくしてシドニーに呼び寄せられた美青年アミールが到着、紹介を受けたピーターは、すぐにアミールに釘付けになってしまう。落ち込んでいたというのに、熱い視線でアミールと乾杯し、「次作は女の映画よね」と売り込む女優シドニーをそっちのけにアミールを誘う、ピーターの変わり様が笑えるシーンだ。そして、シドニーを演じるイザベル・アジャーニの美しさにも目を奪われ、この後の展開が気になる内容となっている。映画『苦い涙』本編映像<作品情報>映画『苦い涙』公開中公式サイト: FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION (C)Carole BETHUEL_Foz
2023年06月02日フランソワ・オゾン監督の最新作『苦い涙』から、『焼け石に水』をはじめ、これまでオゾン監督作品の宣伝デザインを5作品手掛けてきたグラフィックデザイナーの大島依提亜による新ビジュアルと新場面写真6点が解禁された。新ビジュアルでは、現在開催中のカンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員を務めるフランス屈指の人気俳優ドゥニ・メノーシェが熱演する主人公ピーターと、フランス映画界の至宝イザベル・アジャーニが演じる親友の大女優シドニーが印象的。ピーターを翻弄する青年アミールと、ひと言も言葉を発しないが雄弁な眼差しで常にピーターを観察する助手カールは、脇にモノクロで配置された。ポスタービジュアルとは一転しシックな背景色に置かれたタイトル『苦い涙』から涙粒が降り注ぎ、ピーターの目からこぼれる涙の意味とは、そして登場人物4人が閉ざされた室内で繰り広げる人間模様がより一層気になるビジュアルとなった。また、新場面写真6点とともに、いち早く本作を鑑賞した各界著名人よりコメントが到着。映画批評家の児玉美月は「なんて毒々しく、浮世離れした美しさなのだろう!」という、ユーモアと哀しみ、美しさと毒のある作品の魅力を絶賛。「愛が人間を愚かにするのか、それとも愛が人間の愚かさを露呈させるのか。そこにうごめく激情が自分からさほど遠くないことに失望しながらのめり込む、見事な室内劇だ」と映画・音楽パーソナリティ、奥浜レイラはコメント。声優の津田健次郎は「フランソワ・オゾンの色彩に溢れている」、音楽家・文筆家の菊地成孔は「ひょっとしたらコレ、オゾンの最高傑作じゃないの?」といった声も。伝説的映画監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの名作を、苦く哀しく滑稽な映画監督やアーティストの生き様として見事な自己流アレンジで痛快作に完成させた名匠オゾンの手腕に称賛が集まっている。『苦い涙』は6月2日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2023年05月22日フランソワ・オゾン監督の最新作『苦い涙』が6月2日(金)より公開決定。この度、日本版予告編映像ならびに、グラフィックデザイナーの大島依提亜のデザインによるポスタービジュアルが完成し、大島氏からのコメントも到着した。2000年代に手掛けた『まぼろし』『8人の女たち』『スイミング・プール』で世界的な脚光を浴び、その後もほぼ年に1本のペースで長編映画を発表。その大半が世界三大映画祭のコンペティションに選出されてきたフランソワ・オゾン監督。近年では、実話を映画化した『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』でベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員特別賞)受賞、ソフィー・マルソーと初タッグを組んだ現在公開中の『すべてうまくいきますように』も好評を博している。活躍ぶりが目覚ましいオゾン監督の最新作である本作『苦い涙』は、『焼け石に水』以来20年ぶりに、ニュー・ジャーマン・シネマの伝説的な映画作家ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの名作『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』(1972)の再創造に挑んだ愛の物語。著名な映画監督ピーター・フォン・カントが、俳優志望の美青年アミールに心を奪われ、情熱的に結ばれて公私にわたりサポートするが、奔放な美青年に翻弄される。その果てにあぶりだされる、残酷で儚い愛の本質。オゾン監督は恋愛にとどまらない人間関係や芸術における支配と隷属のパワーバランスを鋭く考察し、ユーモラスかつシニカルに「人を愛するということとは何なのか」という根源的な問いを投げかける。1970年代ドイツのアパルトマンを舞台にした室内劇という作品の大枠はそのままに、男性同士の恋愛関係の物語に、ファッション・デザイナーだった主人公の職業を映画監督に変更。さらに現代的な視点とオゾン特有の美意識に基づくアレンジが施され、風刺やユーモアをふんだんに織り交ぜた軽やかな語り口となった。カラフルな壁紙に写真や鏡をあしらったアパルトマンの装飾にも目を奪われる。キャストには、フランス映画界屈指の人気実力派ドゥニ・メノーシェ、オゾン作品初登場にして強烈な存在感を放つ名優イザベル・アジャーニのほか、長編映画初出演にして目が離せない新鋭ハリル・ガルビア。本作でみごと2023年セザール賞の有望若手新人賞にノミネートされたステファン・クレポン、そしてファスビンダーのオリジナル版で準主役を演じ、オゾン監督の『すべてうまくいきますように』にも出演していたハンナ・シグラという豪華キャスト競演。刺激的なヴィジュアルと、1960~70年代のヒットソングをちりばめた秀逸なセンスの音楽など、見どころの尽きない濃密でエモーショナルなメロドラマとして完成された本作は、第72回ベルリン国際映画祭のオープニングを華々しく飾った。このたび完成した日本版ポスタービジュアルは、映画ビジュアルも多数手がけるグラフィックデザイナーの大島氏がデザインを担当。ゴールドを基調に豪華キャストが勢ぞろいしたポスターは、オゾン監督のもとに集結した最高の俳優たちによる絶妙のアンサンブルを期待できるゴージャスなビジュアルだ。劇中でアジャーニ演じる女優シドニーが歌うオスカー・ワイルドの詩を基にした歌から引用した「人は愛するものを殺す(でも誰も死なない)」という意味深なキャッチコピーが添えられている。過去のオゾン監督作のデザインも手掛けてきた大島氏は、「日本版デザインを担当するのもかれこれ5作目。最初に担当した初期の傑作『焼け石に水』と同じく、今回の『苦い涙』はファスビンダーの戯曲が原案と、さらに縁を感じますが、お洒落で(珠玉の70sインテリアや衣装の数々に悶絶!)妙に可笑しい作風も、どこか『焼け石に水』と共通して、一見すると原点回帰ともいえます」とコメント。「しかし!これまでの監督としての経験とキャリアだからこそのオゾンの成熟ぶりは──技術やテーマ性、全てにおいて──目を見張るばかりで、その辺も存分に堪能頂けるかと思います」と語っている。予告編映像では、1967年に日本でのみシングルカットされ大ヒットした「ウォーカー・ブラザーズ」の「孤独の太陽」の印象的なイントロから、ファスビンダーの名作のリメイクであることが明かされる。魅力的な青年、スター女優、映画監督、助手という癖のある登場人物たちが紹介され、エゴイスティックな愛に翻弄される映画監督と美しい青年のパワーゲームを軸に、アパルトマンの一室で繰り広げる人間模様が気になる展開を見せていく。正気を失うほど青年に恋をしてしまう映画監督はどうなるのか。オゾン監督ならではの美意識で統一され、初期作品を思い起こすようなヴィヴィッドなカラーと、室内のインテリアや装飾へのこだわり、そしてカメラ目線で熱い視線を送る青年のラストカットなどに期待が高まる本映像。併せて解禁となった場面写真には、妖艶な美しさに目を見張るアジャーニや、絵画のような青年、情熱的な恋に囚われていくメノーシェ演じる主人公の映画監督の姿をとらえている。『苦い涙』は6月2日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2023年03月16日フランソワ・オゾン監督・脚本の映画『苦い涙』が、2023年6月2日(金)より公開される。フランソワ・オゾン監督・脚本の『苦い涙』フランソワ・オゾン監督・脚本による『苦い涙』は、かつてドイツの映画監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーが1972年に公開した映画『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』を自由に翻案した作品。1970年代ドイツのアパルトマンを舞台にした室内劇という作品の大枠はそのままに、アレンジを加え、風刺やユーモアもふんだんに織り交ぜた。ドイツ・ブレーメンを舞台に、恋人と別れ落ち込んでいる映画監督・ピーターが、若く美しい青年・アミールに恋をして翻弄される姿をユーモアたっぷりに描いた物語となっている。フランソワ・オゾンは、物語を通してユーモラスかつシニカルに「人を愛するということとは何なのか」という根源的な問いを投げかける。恋愛だけではない人間関係や、芸術における支配と隷属のパワーバランスの鋭い考察、そして刺激的なヴィジュアルや、1960~70年代のヒットソングをちりばめた音楽にも注目だ。主演に『悪なき殺人』のドゥニ・メノーシェ主人公のピーターには、『ジュリアン』『悪なき殺人』など、フランス映画界で引っ張りだこの俳優ドゥニ・メノーシェを起用。またアカデミー賞2度ノミネート、セザール賞最多5回受賞の名優イザベル・アジャーニがオゾン作品に初出演。ピーターの親友で大女優シドニーを演じ、ミステリアスで強烈な存在感を放つ。さらにピーターの母親役は、ファスビンダーの1972年オリジナル作品にも出演し、2023年の『すべてうまくいきますように』に続きオゾン作品の出演となる名優ハンナ・シグラが務める。ピーター・フォン・カント…ドゥニ・メノーシェ著名な映画監督。助手のカールをしもべのように扱いながら、事務所も兼ねたアパルトマンで暮らしている。親友のシドニーから紹介された美青年アミールに心を奪われる。9ヵ月の間アミールとともに暮らすが、関係性が様変わりしアミールに翻弄される。アミール…ハリル・ガルビア俳優志望の美青年。ピーターによりキャスティングのカメラテストに招かれ、ピーターの自宅に住むことに。ピーターとは情熱的に関係を構築し、ピーターからのバックアップにより映画界の新星としての注目を集めるも、その後ピーターに対して奔放な言動を繰り返すようになる。シドニー…イザベル・アジャーニピーターの親友で、大女優。3年ぶりにピーターのもとを訪れ、アミールを連れてくる。カール…ステファン・クレポンピーターの助手。<映画『苦い涙』あらすじ>恋人と別れて激しく落ち込む映画監督・ピーターは、親友で大女優のシドニーが連れてきた青年・アミールに一目で恋をする。ピーターはアミールに才能を見出し、自分のアパルトマンに住まわせ、映画の世界で活躍できるように手助けするが、美しい青年・アミールに翻弄されていく。【詳細】映画『苦い涙』公開日:2023年6月2日(金)監督・脚本:フランソワ・オゾン出演:ドゥニ・メノーシェ、イザベル・アジャーニ、ハリル・ガルビア、ステファン・クレポン、ハンナ・シグラ、アマンテ・オーディアール原題:Peter Von Kant
2023年02月19日フランスの名匠フランソワ・オゾン監督が国民的俳優ソフィー・マルソーと初タッグを組み、“安楽死”を巡る父娘の葛藤を描く『すべてうまくいきますように』。この度、オゾン監督が、原作者であり親しい友の死が映画化のきっかけになったことを語るインタビュー映像が解禁となった。新作を発表するたびに異なるテーマで観る者を圧倒してきたフランソワ・オゾン。これまでオゾンが幾度も描いてきた“死”をテーマに、その集大成ともいうべき作品を作りあげた。オゾンと友人関係にあり、『まぼろし』(00)や『スイミング・プール』(03)などで共同脚本を手掛けたのが、本作の原作者のエマニュエル・ベルンエイム。そんな原作者の死を通して映画化に至った経緯や、“安楽死”を描いたことの意義などについて語っている。はじめに映画製作の経緯について聞かれると、「出版された時に本人から映画化を打診されたが正直に言うと当時は乗り気ではなかった」という。「なぜなら私とは遠い話だし、彼女のあまりに個人的なストーリーだった」と映画化を断ったが、彼女の死をきっかけに「作品の理解も深まり、エマニュエルのために彼女の経験を共有したかった」と考えが大きく変わったことを明かす。フランソワ・オゾン監督さらに時間を置いたことで、ソフィー・マルソーを起用する絶好のチャンスも手にすることができたと語り、「大好きな俳優だし、彼女なら主人公にふさわしい」と太鼓判を押した。また、本作でも描かれていた安楽死の課題についてはフランスをはじめヨーロッパにおける課題の多さを認識しつつも、「映画では非難しない。善悪は判断しないから観客が自由に考えればいい。結局のところ、映画は理解する手助けにすぎない」という。最後に、観客に伝えたいメッセージは「ない」と言い、その真意として「私は機会を提供するだけだ。強い感情と複雑な感動を共有して各自が自分で考える機会にしてほしい。“自分ならどうする?”とね」と、己に問うきっかけを作品に託すことで、“死”をテーマにした作品を生み出してきた監督としての矜持を見せた。『すべてうまくいきますように』はヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:すべてうまくいきますように 2023年2月3日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURES
2023年02月05日フランソワ・オゾン監督・脚本の最新作、映画『すべてうまくいきますように』が、2023年2月3日(金)より公開される。フランソワ・オゾン最新作は“安楽死”がテーマ映画『すべてうまくいきますように』は、『まぼろし』『8人の女たち』『Summer of 85』など、新作を発表するたびに、異なるテーマで観る者を魅了してきたフランス映画界の名匠フランソワ・オゾンによる最新作。全ての人に訪れる“死”をテーマにしながらも、ユーモラスな会話劇とスタイリッシュな映像で、「家族の愛とは何か」「人生とは何か」という普遍的な問いを軽やかに投げかける。“安楽死”を巡る父娘の葛藤、想像を裏切る結末とは?物語のベースとなっているのは、“安楽死”を巡る父娘の葛藤を描いた、『スイミング・プール』の脚本家エマニュエル・ベルンエイムによる自伝的小説だ。自分らしく一生を終えるために“安楽死”の手伝いをしてほしいと父から告げられたエマニュエル。困惑しつつも、着々と段取りを進めるうち、父が生きる喜びを取り戻したかのように見えてくる。果たして“安楽死”を決行するのか?そんなサスペンスフルで緊迫感に満ちた展開の先に、想像を裏切る結末が待つ。フランスの国民的俳優ソフィー・マルソーが主演主演は、フランソワ・オゾンとは初タッグとなるフランスの国民的俳優ソフィー・マルソー。フランス映画の重鎮アンドレ・デュソリエと共に親子役を演じ、涙と笑いに溢れる感動ドラマをつくり上げた。■主人公・エマニュエル...ソフィー・マルソー小説家。本音しか言わない父の言動に父親に振り回され、時には傷つきながらも、父を人として敬愛する。深刻な時にも父から受け継いだユーモアを忘れない。父から安楽死のサポートをして欲しいと告げられる。最初は困惑するが、最後の願いに寄り添うことを決意。演じるのは、『ラ・ブーム』でスーパーアイドルとなり、その後も『ブレイブハート』や「007」シリーズ『ワールド・イズ・ノット・イナフ』などの大作に出演し、広く愛され続けているソフィー・マルソー。■アンドレ...アンドレ・デュソリエエマニュエルの父。現在85歳。毒舌、頑固、ワガママ、いじわる。しかし、芸術や美食を楽しみ、ユーモアと好奇心にあふれる人物。脳卒中が原因で右半身不随を患っており、自分らしく一生を終えることを望む。娘・エマニュエルのサポートの元、着々と段取りが進んでいく...。そんな中で、リハビリが功を奏し日に日に回復し、アンドレは生きる喜びを見出していく。果たして“安楽死”を決行するのか?しかし、そのすべてが魅力とも言える人物。フランソワ・トリュフォー監督の『私のように美しい娘』や、エリック・ロメール監督の『美しき結婚』で知られる、名優アンドレ・デュソリエが務める。■クロード...シャーロット・ランプリングエマニュエルの母。鬱病を患う。アンドレとは長年別居中の身であり、安楽死の話を聞いてもリアクションが薄く、アンドレの愛人ジェラールの存在を気にする素振りもあるが…クロードの想いはどこに?『さざなみ』でアカデミー賞にノミネートされ、フランソワ・オゾンとは『まぼろし』『スイミング・プール』『17歳』でタッグを組んできたシャーロット・ランプリングが演じる。■パスカル...ジェラルディーヌ・ペラスエマニュエルの妹。父と姉の絆に複雑な想いを抱き嫉妬することもあるが、こうと決めたら真っ直ぐな姉を慕う健気な一面もある。父の気が変わることを望んでいる。パスカル役は『17歳』でセザール賞にノミネートされたジェラルディーヌ・ペラスが担当。■安楽死支援協会の女性...ハンナ・シグラ合法的に安楽死を支援するスイスの協会から派遣されてくる、怪しげなスイス人女性。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』や『マリア・ブラウンの結婚』で知られるドイツ人俳優ハンナ・シグラが演じる。<映画『すべてうまくいきますように』あらすじ>何より生きることを愛していた父アンドレが突然、安楽死を願う。脳卒中により、身体の自由がきかなくなったという現実が受け入れられず、人生を終わらせるのを手伝ってほしいと娘のエマニュエルに頼んだのだ。エマニュエルは妹のパスカルと、父の気が変わることを望みながらも、スイスの合法的に安楽死を支援する協会とコンタクトをとる。一方で、徐々に回復する父は、孫の演奏会やお気に入りのレストランへ出かけ、生きる喜びを取り戻したかのように見えた。だが、父はまるで楽しい旅行の日を決めるかのように、娘たちにその日を告げる。娘たちは戸惑い葛藤しながらも、父と真正面から向き合おうとする。【詳細】映画『すべてうまくいきますように』原題:Tout s’est bien passé公開日:2023年2月3日(金)監督・脚本:フランソワ・オゾン出演:ソフィー・マルソー、アンドレ・デュソリエ、ジェラルディーヌ・ペラス、シャーロット・ランプリング、ハンナ・シグラ、エリック・カラヴァカ、グレゴリー・ガドゥボワ
2022年11月10日フランソワ・オゾン監督の新作『Tout s'est bien passe』(英題:Everything Went Fine)が、邦題『すべてうまくいきますように』として、2023年2月3日(金)より全国公開されることが決定。場面写真が解禁された。芸術や美食を楽しみ、ユーモアと好奇心にあふれ、何より生きることを愛していた85歳の父アンドレが突然、安楽死を願う。脳卒中で倒れたことによって、身体の自由がきかなくなったという現実が受け入れられず、人生を終わらせるのを手伝ってほしいと娘のエマニュエルに頼んだのだ。小説家のエマニュエルは妹のパスカルと、父の気が変わることを望みながらも、スイスの合法的に安楽死を支援する協会とコンタクトをとる。一方で、リハビリが功を奏し日に日に回復する父は、孫の演奏会やお気に入りのレストランへ出かけ、生きる喜びを取り戻したかのように見えた。だが、父はまるで楽しい旅行の日を決めるかのように、娘たちにその日を告げる。娘たちは戸惑い葛藤しながらも、父と真正面から向き合おうとする。本作は、『スイミング・プール』(03)の脚本家エマニュエル・ベルンエイムの自伝的小説を基に、安楽死を望む父親に振り回される娘の葛藤を描いたドラマ。監督は、『まぼろし』(00)や『8人の女たち』(02)、『Summer of 85』(20)など、新作を発表するたびに異なるテーマで観る者を圧倒してきたフランソワ・オゾン。全ての人にいつか必ず訪れる“死”をテーマにしながらも、ユーモアを忘れない会話劇とスタイリッシュな映像で、家族の愛とは何か、人生とは何かを軽やかに問いかける、涙と笑いあふれる感動のドラマを完成させた。主演は、『ラ・ブーム』(80)の世界的大ヒットでスーパーアイドルとなり、いまなおフランスの国民的俳優として愛され続けるソフィー・マルソー。本音しか言わない父の言動に時には傷つきながらも、父を人として敬愛する娘・エマニュエル役を情感豊かに演じた。深刻な時にも父から受け継いだユーモアを忘れないエマニュエルの愛らしさが、マルソーの魅力でより一層引き立つ。父のアンドレには、フランソワ・トリュフォー監督の『私のように美しい娘』(72)やエリック・ロメール監督の『美しき結婚』(82)で知られる、フランス映画の重鎮、アンドレ・デュソリエ。毒舌、頑固、ワガママ、いじわる、その全てのマイナスカードを魅力へと変貌させるアンドレというキャラクターを見事に体現している。母のクロードには、『さざなみ』(15)でアカデミー賞にノミネートされたシャーロット・ランプリング。オゾン監督とは、『まぼろし』、『スイミング・プール』、『17歳』(13)でタッグを組み、作品に深みと品格を与えてきた。妹のパスカルには、『17歳』でセザール賞にノミネートされたジェラルディーヌ・ペラス。父と姉の絆に複雑な想いを抱き嫉妬することもあるが、こうと決めたら真っ直ぐな姉を慕う健気な妹を演じ、美しい姉妹愛で観る者を癒してくれる。さらに、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』(72)や『マリア・ブラウンの結婚』(79)で知られるドイツ人俳優ハンナ・シグラが、安楽死を支援する協会から派遣されてくる、怪しげなスイス人女性を演じている。最期の日を決めた父と娘たちの前に、愛や倫理、法律や宗教など様々な理由から反対する者たちが立ちはだかる。果たして父は決行するのか、考えを変えるのか、誰かが止めるのか、あるいは安楽死を禁ずるフランスの法律に止められるのか…?サスペンスフルなストーリーテリングを得意とするオゾン監督が、緊迫感に満ちた展開の先に用意した、想像を裏切る結末とは…。フランス映画界の名匠と、人気と実力を兼ね備えた国民的俳優の初タッグに期待が高まる。『すべてうまくいきますように』は2023年2月3日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:すべてうまくいきますように 2023年2月3日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURES
2022年11月07日いま最も注目を集める指揮者のひとり、フランソワ=グザヴィエ・ロトが、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団と共に来日し、7月に東京公演を実施する。フランソワ=グザヴィエ・ロトはケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団のカペルマイスターを務める注目の指揮者で、日本でも人気を集めている。2018年には東京オペラシティで自ら創設したオリジナル楽器のオーケストラ、レ・シエクルと公演を行ったが、今夏はケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団と共に東京オペラシティに登場する。当日は、ドイツを拠点に活躍する河村尚子とモーツァルトのピアノ協奏曲第 20 番 ニ短調、ブルックナーの交響曲第4番 変ホ長調《ロマンティック》を演奏。《ロマンティック》は現在一般的に演奏されている第2稿ではなく、「1874 年第1稿」で演奏される。ロトとケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団はブルックナーの交響曲を集中的に取り上げており、今回の演奏も大きな注目を集めそうだ。フランソワ=グザヴィエ・ロト/ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団7月3日(日) 15時開演東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル【出演】フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)河村尚子(ピアノ)ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団【曲目】モーツァルト:ピアノ協奏曲第 20 番 ニ短調 K466ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調《ロマンティック》(1874 年第1稿)■チケット情報
2022年05月02日「フランソワ・ポンポン展」が2月3日(木)から3月29日(火)まで、佐倉市立美術館で開催される。19世紀末から20世紀初頭にフランスで活躍した彫刻家フランソワ・ポンポン(1855-1933)。ロダンのアトリエなどで下彫り職人として経験を積み、50歳を過ぎて動物彫刻家に転向。シンプルな形となめらかな表面を持つ『シロクマ』や『フクロウ』、『ペリカン』などを生み出した。日本初の回顧展となる本展では、最初期の人物から洗練された最晩年の動物彫刻まで、旧ブルゴーニュ地方のディジョン美術館や出身地ソーリューのポンポン美術館、また国内でポンポンの彫刻と資料を多数所蔵する群馬県立館林美術館から彫刻、スケッチなど、約90点を出品する。あわせて、ポンポンに影響を受けたとされる佐倉ゆかりの金工家・津田信夫(1875-1946)の所蔵品も展示される。■展覧会情報2月3日(木)から3月29日(火)まで会場:佐倉市立美術館休館日:月曜日※但し、3月21日(月・祝)は開館、3月22日(火)は休館。開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)観覧料:一般800(640)円、大学・高校生600(480)円、中・小学生400(320)円、未就学児無料※カッコ内は前売り及び20名以上の団体料金※前売り券は佐倉市立美術館、佐倉市民音楽ホール、佐倉市観光協会、JR佐倉駅前観光情報センターにて2月2日(水)まで販売。※佐倉市内の小・中学生と同伴者1名は無料。※障害手帳をお持ちの方とその介助者1名は無料。<関連イベント>対話型鑑賞ツアー「ミテ・ハナソウ・カイ」オンライン2月27日(日)、3月27日(日)各10:30から詳細:
2022年01月27日フランスの彫刻家フランソワ・ポンポンの日本初回顧展「フランソワ・ポンポン展」を名古屋市美術館にて11月14日(日)まで開催しております。名古屋市美術館にて11月14日(日)まで開催中!オルセー美術館にある実物大の巨大彫刻《シロクマ》を作り、その他多くの動物をモデルに彫刻を生み出したフランソワ・ポンポンは、20世紀初頭のアール・デコ期に人気を博した動物彫刻家です。彼の作品の特徴は、鳩や猫、犬など身近な動物から豚や牛など農場でみる家畜、キリンやヒグマ、シロクマなど動物園でみることが多い異国の動物まで、その生態を詳しく観察し、極限まで細部をそぎ落としシンプルでなめらかな造形にした点です。大部分の作品が18cmから28cmと比較的小型で愛らしさを兼ね備えています。ユーモラスなオラン・ウータンの表情、茶目っ気のあるペリカン、太陽の下であくびをするカバなど、幸福さをたたえたポンポンの彫刻は生きる喜びを体現していて見る人に幸せな気持ちと微笑みをもたらします。展示作品はおよそ90点、ポンポンの本国フランス、パリのオルセー美術館、ポンポンが建築と彫刻の基礎を学んだ美術学校がありポンポン最大の支援者であったディジョン市のディジョン美術館、出生地ソーリューにあるフランソワ・ポンポン美術館から来日する作品と国内随一のポンポンコレクションをもつ群馬県立館林美術館の作品によって構成されています。ポンポンの初期作品から、1922年にサロンで大絶賛を受けた代表作《シロクマ》を生み出し、名声を確立していくまでの作家の生涯と作品の魅力に迫ります。【見どころ】■日本初のフランソワ・ポンポン回顧展ポンポンが彫刻家として認められたのは、晩年の1922年、67歳の時です。サロン・ドートンヌにて長さ2.5mの大きな石膏の《シロクマ》を出品、しなやかで力強い生命感と、堂々とした安定感をもったこの作品は初めて高く評価されました。また、愛好者向けに作られた卓上サイズの《シロクマ》がアール・デコ様式の室内に調和する動物彫刻として、注文が舞い込むようになります。本展では無名時代の初期作品から、評価された晩年に至るまでの作品を総合的に展示し、ポンポン作品の全貌を日本で初めて見ることのできる展覧会です。■《シロクマ》だけではない、ポンポンの動物彫刻の世界ポンポンは、シロクマの彫刻だけではなく自ら飼っていたペットの猫や鳩、別荘のあったノルマンディー地方の田舎で見たアヒル、ガチョウ、牛や豚、またパリの動物園で観察したキリン、カバ、ペリカンや鹿などを多数彫刻にしています。ポンポンの観察眼、動物の特性を生かした美しいシルエットも見どころです。■ポンポンのアトリエから寄贈された作品を所蔵するディジョン美術館からの初出品ポンポンゆかりの地、ディジョン。彼が通った美術学校が創設されたのは1766年。美術館はその付属施設として、1787年美術学生のために作られました。ディジョン美術館はルーヴル美術館開館よりも早い、フランス最古の美術館の一つです。本展覧会ではこの館が誇るコレクションの一つ、1948年にポンポンのアトリエから寄贈された貴重な作品の数々を出品、本邦初公開です。■常盤貴子さんの音声ガイドで、作品がもっと身近に女優の常盤貴子さんが、展示中の24点の作品について、穏やかな語り口でわかりやすく解説します。作品が制作された背景や、見落としがちな細部の見どころを知ることで、一層作品の理解が深まります。*音声ガイドの貸出料金は1台600円【開催概要】展覧会名 : フランソワ・ポンポン展会期 : 2021年9月18日(土)~11月14日(日)開館時間 : 午前9時30分~午後5時金曜日は午後8時まで(入場は閉館30分前まで)休館日 : 月曜日会場 : 名古屋市美術館〒460-0008 名古屋市中区栄2-17-25TEL:052-212-0001/FAX:052-212-0005 主催 : 名古屋市美術館、中京テレビ放送株式会社後援 : 名古屋市立小中学校長会協力 : 群馬県立館林美術館企画協力 : 美術デザイン研究所公式サイト: Twitter : Instagram : 観覧料 : 一般1,600円、高校・大学生1,000円、中学生以下は無料・障害のある方、難病患者の方は、手帳または受給者証の提示により本人と付添者2名まで当日料金の半額でご覧いただけます。・障害者等割引券(お取り扱いはチケットぴあのみ)を購入された方は、当日受付で証明(障害者手帳など)をご提示ください。ご提示いただけない場合には、差額をお支払いいただきます。・名古屋市交通局発行の「ドニチエコきっぷ」「一日乗車券」を当日利用して来館された方は100円割引。・「名古屋市美術館常設展定期観覧券」の提示で当日券から200円割引。・いずれも他の割引との併用はできません。・同時に多くの方が入場することを避けるため、団体割引は行いません。・「フランソワ・ポンポン展」の観覧券で常設展もご覧いただけます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月21日中京テレビ放送は、名古屋市美術館とともに主催する「フランソワ・ポンポン展」を名古屋市美術館にて9月18日(土)より開催します。フランソワ・ポンポン展フランスの彫刻家フランソワ・ポンポン(Francois Pompon,1855-1933)の日本初回顧展。オルセー美術館にある実物大の巨大彫刻《シロクマ》を作り、その他多くの動物をモデルに彫刻を生み出したフランソワ・ポンポンは、20世紀初頭のアール・デコ期に人気を博した動物彫刻家です。彼の作品の特徴は、鳩や猫、犬など身近な動物から豚や牛など農場でみる家畜、キリンやヒグマ、シロクマなど動物園でみることが多い異国の動物まで、その生態を詳しく観察し、極限まで細部をそぎ落としシンプルでなめらかな造形にした点です。大部分の作品が18cmから28cmと比較的小型で愛らしさを兼ね備えています。ユーモラスなオラン・ウータンの表情、茶目っ気のあるペリカン、太陽の下であくびをするカバなど、幸福さをたたえたポンポンの彫刻は生きる喜びを体現していて見る人に幸せな気持ちと微笑みをもたらします。展示作品はおよそ90点、ポンポンの本国フランス、パリのオルセー美術館、ポンポンが建築と彫刻の基礎を学んだ美術学校がありポンポン最大の支援者であったディジョン市のディジョン美術館、出生地ソーリューにあるフランソワ・ポンポン美術館から来日する作品と国内随一のポンポンコレクションをもつ群馬県立館林美術館の作品によって構成されています。ポンポンの初期作品から、1922年にサロンで大絶賛を受けた代表作《シロクマ》を生み出し、名声を確立していくまでの作家の生涯と作品の魅力に迫ります。【みどころ】(1) 日本初のフランソワ・ポンポン回顧展ポンポンが彫刻家として認められたのは、晩年の1922年、67歳の時です。サロン・ドートンヌにて長さ2.5mの大きな石膏の《シロクマ》を出品、しなやかで力強い生命感と、堂々とした安定感をもったこの作品は初めて高く評価されました。また、愛好者向けに作られた卓上サイズの《シロクマ》がアール・デコ様式の室内に調和する動物彫刻として、注文が舞い込むようになります。本展では無名時代の初期作品から、評価された晩年に至るまでの作品を総合的に展示し、ポンポン作品の全貌を日本で初めて見ることのできる展覧会です。(2) 《シロクマ》だけではない、ポンポンの動物彫刻の世界ポンポンは、シロクマの彫刻だけではなく自ら飼っていたペットの猫や鳩、別荘のあったノルマンディー地方の田舎で見たアヒル、ガチョウ、牛や豚、またパリの動物園で観察したキリン、カバ、ペリカンや鹿などを多数彫刻にしています。ポンポンの観察眼、動物の特性を生かした美しいシルエットも見どころです。(3) ポンポンのアトリエから寄贈された作品を所蔵するディジョン美術館からの初出品ポンポンゆかりの地、ディジョン。彼が通った美術学校が創設されたのは1766年。美術館はその付属施設として、1787年美術学生のために作られました。ディジョン美術館はルーヴル美術館開館よりも早い、フランス最古の美術館の一つです。本展覧会ではこの館が誇るコレクションの一つ、1948年にポンポンのアトリエから寄贈された貴重な作品の数々を出品、本邦初公開です。(4) 常盤貴子さんの音声ガイドで、作品がもっと身近に女優の常盤貴子さんが、展示中の24点の作品について、穏やかな語り口でわかりやすく解説します。作品が制作された背景や、見落としがちな細部の見どころを知ることで、一層作品の理解が深まります。*音声ガイドの貸出料金は1台600円【開催概要】展覧会名 : フランソワ・ポンポン展会期 : 2021年9月18日(土)~11月14日(日)開館時間 : 午前9時30分~午後5時金曜日は午後8時まで(入場は閉館30分前まで)休館日 : 月曜日(9月20日は開館)、9月21日(火)会場 : 名古屋市美術館〒460-0008 名古屋市中区栄2-17-25TEL:052-212-0001/FAX:052-212-0005 主催 : 名古屋市美術館、中京テレビ放送後援 : 名古屋市立小中学校長会協力 : 群馬県立館林美術館企画協力 : 美術デザイン研究所公式サイト: Twitter : Instagram : 観覧料 : 一般1,600円(1,400円)、高校・大学生1,000円(800円)中学生以下は無料・障害のある方、難病患者の方は、手帳または受給者証の提示により本人と付添者2名まで当日料金の半額でご覧いただけます。・障害者等割引券(お取り扱いはチケットぴあのみ)を購入された方は、当日受付で証明(障害者手帳など)をご提示ください。ご提示いただけない場合には、差額をお支払いいただきます。・名古屋市交通局発行の「ドニチエコきっぷ」「一日乗車券」を当日利用して来館された方は100円割引。・「名古屋市美術館常設展定期観覧券」の提示で当日券から200円割引。・いずれも他の割引との併用はできません。・同時に多くの方が入場することを避けるため、団体割引は行いません。・「フランソワ・ポンポン展」の観覧券で常設展もご覧いただけます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月13日世界三大映画祭の常連であるフランソワ・オゾン監督の最新作『Summer of 85』が、8月20日(金)より全国公開。英作家エイダン・チェンバーズによる青春小説「Dance on my Grave」(おれの墓で踊れ/徳間書店)を原作に、フランスの海辺の町で運命的に出会った2人の少年の美しくも儚い初恋を描いた本作で、キャスティングを重要視したオゾン監督は脚本が完成する前からオーディションを開始、フェリックス・ルフェーヴルとバンジャマン・ヴォワザンという2人の原石を見出した。「リヴァー・フェニックスのよう」期待の新星、フェリックス・ルフェーヴル17歳で原作小説と出会って以来、映画化を熱望していたオゾンにとって、主人公のアレックスを演じるキャストは適役を見つけられなければ映画製作そのものを諦めようとしていたほど重要な存在。そんな中、オゾンに「これぞアレックスだ」と言わしめ、主演に抜擢されたのがフェリックス・ルフェーヴルだ。本作の主人公アレックスは、進路に悩むシャイな高校生。アグレッシブで刹那的な生き方をしているダヴィドと運命的な出会いを果たし、ひと夏の間に初めての恋と永遠の別れを経験することになる。そんなアレックスを演じたのは、TVドラマシリーズ「ル・シャレー 離された13人」(18/Netflix)、映画『スクールズ・アウト』(18)などへの出演歴はあるものの、ほぼ無名の新人であったルフェーヴル。「童顔で笑顔も子供のように愛くるしくて、生命感に溢れている。それでいて目にはどこか哀愁があり、80年代人気だったリヴァー・フェニックスの雰囲気がある」とオゾンにひと目見て絶賛され、オーディションから大抜擢された。実は、ルフェーヴルはキャスティングディレクターによるアレックス役のオーディションに臨んだものの、その場で渡されたシーン以外は何も情報もなく、アレックスが主役だということも知らなかった。それでも、オゾンに主役をできるかと訊かれたときには迷わず飛び込んだ。「もし1年か2年前の僕だったらちょっと戸惑ったでしょうね。だけど僕ももう大人になっていたし、『自分のやりたいことをやる、絶対に尻込みはしない』と、ずっと前に決めていたので、問題はありませんでしたよ」。その後、見事に主役の座を射止めたルフェーヴルは、脚本を読み「よく練られた、美しいドラマだなあ」と感じたとふり返る。「出会った頃のぎこちなさ、歩み寄り、初恋、成長、自己の解放……アレックスは人生の大事なことを一夏で経験します。経験した喜びと悲しみから、人生を前進させる力をもらい、成長していく」と読み解き、役作りに臨んだようだ。役作りでは、オゾン監督がアレックスのキャラクターの参考にしたというJ.D.サリンジャーの小説「ライ麦畑でつかまえて」を読んだり、『ラ・ブーム』(1980)、『スタンド・バイ・ミー』(1987)といった80年代当時のヒット映画を徹底的にリサーチ。「のちに作家になるアレックスには知性があります。飲み込みも早く役に対して意欲的だったフェリックスなら、その信ぴょう性を醸し出せると思いました」という監督の予想通り、知的なアプローチでアレックスのイメージを完成させていったルフェーヴル。役を演じることでひと皮剥けていく自分自身と重ね合わせて、内気な少年が人生を揺るがすほどの初恋とその喪失を経て成長していく様を全身全霊で表現した。海外でも公開後、「フェリックス・ルフェーヴルに心を奪われた」「完璧な美しさだ」とその知性を秘めた存在感が注目を集め、ダヴィド役のバンジャマン・ヴォワザンと共に、第46回セザール賞で有望若手男優賞にノミネート。「ロマンティックな作品の祭典」といわれるカブール映画祭でも新人男優賞を受賞している。「2021年注目の新人」に選出、危険な香り漂うバンジャマン・ヴォワザン一方、ルフェーヴル演じる主人公・アレックスが恋に落ちる、自然体で自信に満ちた少年・ダヴィド役に抜擢されたバンジャマン・ヴォワザンは、ジュリエット・ビノシュ、イザベル・ユペールらを輩出したフランス国立高等演劇学校出身で、俳優だけでなく脚本家としても活動する、フランス映画界きっての若手注目株。フランスを代表する2大俳優カトリーヌ・ドヌーブとジェラール・ドパルデューが共演したコメディドラマ『ホテル・ファデットへようこそ』(17)や、アイルランドの作家オスカー・ワイルドの知られざる晩年を描いた伝記ドラマ『さすらいの人 オスカー・ワイルド』(18)などに出演。近年では、ユニフランスが発表した「2021年注目の新人10人」に選出。今後は、第51回カンヌ映画祭で短編パルム・ドール受賞のグザヴィエ・ジャノリ監督作で、グザヴィエ・ドランら並び主要キャストとして出演する『Comedie humaine』(21)や、『燃ゆる女の肖像』のノエミ・メルランが監督を務める『Le bal des folles』(いずれも原題)など注目作が待機しており、まさに今後の活躍に期待が高まる俳優だ。そんな彼が本作で演じたのは、純朴な16歳のアレックスとは真逆の魅力を持つ、自由奔放で常に自信に満ち溢れている18歳の少年ダヴィド。颯爽とバイクを乗り回し、ヨットの操縦も得意なダヴィドが放つ、野生動物のような荒々しさとカリスマ性にアレックスは魅了され、次第に2人は深い関係で結ばれていく。しかし、そんな幸せな日々も長くは続かなかった。愛すれば愛するほどに湧き上がる“満たされない気持ち”。「ほんの一瞬も離れたくない」と願うアレックスを待ち受けていたのは、ダヴィドとの突然の別れだった――。これまでの作品では、か弱くてシャイな役ばかりを演じてきたヴォワザンだったが、本作では短期間で筋肉を厚くするハードなトレーニングに挑戦。身体を鍛え上げ、ワイルドなダヴィドのイメージを作り上げた。さらに、父親を亡くし、学校に通わず母親が切り盛りする船具店で働いているダヴィドは、人生を謳歌していながら、どこか生き急いでいるような刹那的な雰囲気が漂う一面もある。「(オーディション合格から)数週間は、はっきりとダヴィドという人物が分かりませんでした」と明かすヴォワザンは、オゾン監督と何度も話す中で“ダヴィド像”を掴めたという。「僕が目指すのは、サソリになることだと分かりました。『いい奴そうじゃないか』と思ってちょっと顔を上げてみたら、しっぽが見えて今にも襲い掛かろうとしている。最初にチラっと笑う瞬間から危険な匂いをまとっていなきゃいけない。どこか破壊的な一面を感じさせるためにね」と語っており、観る者をたちまち魅了する、甘いマスクの奥に潜んだ危うさを見事に自分のものにしている。『Summer of 85』は8月20日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:Summer of 85 2021年8月20日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES
2021年07月06日フランソワ・オゾン監督が瑞々しい刹那の初恋を描いた最新作『Summer of 85』から、第1弾予告とビジュアルが解禁となった。予告編では、「THE CURE」の1985年発表の名曲「In Between Days」に合わせて、アレックスが初めて抱くダヴィドへの破裂しそうなほどの恋の衝動が映し出される。ノスタルジックな雰囲気漂うフィルムによる撮影で美しく切り取られた、色鮮やかな青春の数々。しかし、そんな幸せな日々も長くは続かなかった。愛すれば愛するほどに湧き上がる“満たされない気持ち”。「ほんの一瞬も離れたくない」と願うアレックスを待ち受けていたのは、不慮の事故によるダヴィドとの突然の別れだった――。併せて解禁された第1弾ビジュアルは、永遠の別れが訪れることなど知る由もないアレックスが、ダヴィドとの愛を噛みしめるように頬を寄せる姿が描かれている。「あの夏の君を、心に刻んだ」というコピーに込められた、アレックスの儚い感情。刹那の恋の終わりを感じさせる、エモーショナルな仕上がりに。ガス・ヴァン・サント監督の『マイ・プライベート・アイダホ』を彷彿とさせ、セーリングのシーンはアラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』を思い出させる。いずれもオゾン監督がオーディションで見出した新鋭フェリックス・ルフェーヴル(アレックス役)とバンジャマン・ヴォワザン(ダヴィド役)のフレッシュな才能も眩しい。第73回カンヌ国際映画祭でオフィシャルセレクションに選出され、第15回ローマ国際映画祭で観客賞を受賞する等多くの映画人を魅了してきた本作。「オゾンの独創性を改めて教えてくれる」(Variety)、「病的なまでにロマンチック」(The Guardian)、「スタイリッシュ且つ繊細」(Times)、「若さのスリルと初恋の駆け引きを見事に捉えた」(EMPIRE)、「激しくも感動的な物語」(Screen International)など、海外誌からも絶賛が相次いでいる。原作は、英作家エイダン・チェンバーズが1982年に発表した青春小説の金字塔「Dance on my Grave」(おれの墓で踊れ/徳間書店)。17歳で原作と出会い感銘を受けたオゾンが、約35年の時を経て「世界共通のラブストーリー」として映像化。当時の感情を投影しながら、初恋の衝動を圧巻の映像美と巧みな演出で表現し、“愛の原点”に辿り着いた。『Summer of 85』は8月20日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:Summer of 85 2021年8月20日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES
2021年04月22日世界三大映画祭の常連であり、世界中から新作を待ち望まれているフランソワ・オゾンの最新作『Summer of 85』が8月20日(金)より日本公開されることが決定。ティザー映像が解禁となった。本作は、オゾン監督自身が17歳の時に出会い深く影響を受けたエイダン・チェンバーズの小説「Dance on my Grave」(おれの墓で踊れ/徳間書店)を映画化。描かれるのは、運命的な出会いを果たした美しき少年たちの、初めての恋と永遠の別れ。原作小説に感銘を受けた10代当時の感情を投影しながら、少年たちの忘れられないひと夏の恋物語を鮮やかに映し出し、爽やかで瑞々しい極上のラブストーリーを誕生させた。1985年夏のフランス、進路に悩む労働者階級の16歳の少年アレックスは、自然体で飄々とした18歳のダヴィドと出会い惹かれ合う。演じるのは、いずれもオゾン監督自らオーディションで見出した注目の新鋭フェリックス・ルフェーヴルとバンジャマン・ヴォワザン。色鮮やかでノスタルジックな映像美と、80年代ヒットソングの数々で彩られた、少年たちの美しくも儚い夏のひと時を、普遍的な思春期の初恋の形として描き出した本作は、世界の名だたる映画祭で高い評価を獲得。第73回カンヌ国際映画祭でオフィシャルセレクションに選出、第15回ローマ国際映画祭で観客賞を受賞、第46回セザール賞では作品賞や監督賞など12部門にノミネートされ、多くの映画人や観客を魅了している。映像では、「THE CURE」の1985年リリースの「In Between Days」を聴きながら、憂いを帯びた表情でダヴィド(バンジャマン・ヴォワザン)との初めての恋を思い出すアレックス(フェリックス・ルフェーヴル)の哀愁漂う姿が映し出されている。ダヴィドがアレックスにとってこの夏の全てだったと感じさせる幸せな瞬間、悔やんでも悔やみきれない嫉妬に狂い彼に対し憎悪を浮かべた瞬間。狂おしいほど愛した彼の存在を確かめれば確かめるほど、言葉にならない感情が溢れ出すエモーショナルな映像となっている。最後には彼への想いを押し込めるように静かに目を閉じ、そっとその存在を心に刻んでいるようにも感じられる。またフィルムで撮影された映像は、アレックスとダヴィドの存在をその体温が伝わるほど艶めかしく映し出し、アレックスの初恋の衝動と共にダヴィドの面影が残るものとなっている。『Summer of 85』は8月20日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:Summer of 85 2021年8月20日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES
2021年03月25日フランス映画界の巨匠フランソワ・オゾン監督最新作『Summer of 85』が8月20日(金)に日本公開されることが決定。あわせてティザー映像が公開された。本作は、オゾン自身が17歳の時に出会い深く影響を受けたエイダン・チェンバーズの小説『Dance on my Grave』(おれの墓で踊れ / 徳間書店)を映画化したラブストーリー。描かれるのは、運命的な出会いを果たした美しき少年たちの初恋と永遠の別れ。原作小説に感銘を受けた10代当時の感情を投影しながら、少年たちの忘れられないひと夏の恋物語を鮮やかに映し出す。これまでにオゾンが描いてきた過激な恋愛描写は封印し、爽やかで瑞々しい極上のラブストーリーに仕上がっている。物語の舞台は1985年夏のフランス。進路に悩む労働者階級の16歳の少年アレックスは、自然体で飄々とした18歳のダヴィドと出会い惹かれ合う。演じるのは、いずれもオゾン自らオーディションで見出した注目の新鋭フェリックス・ルフェーヴルとバンジャマン・ヴォワザン。色鮮やかでノスタルジックな映像美と、80年代ヒットソングの数々で彩られた、少年たちの美しくも儚い夏のひと時を、普遍的な思春期の初恋の形として描き出した本作は、世界の名だたる映画祭で高い評価を獲得。第73回カンヌ国際映画祭でオフィシャルセレクションに選出、第15回ローマ国際映画祭で観客賞を受賞、第46回セザール賞では作品賞や監督賞など12部門にノミネートされ、多くの映画人や観客を魅了している。公開された映像ではTHE CUREの『In Between Days』を聴きながら、憂いを帯びた表情でダヴィド(バンジャマン・ヴォワザン)との初めての恋を思い出すアレックス(フェリックス・ルフェーヴル)の哀愁漂う姿が映し出されている。ダヴィドがアレックスにとってこの夏のすべてだったと感じさせる幸せな瞬間、悔やんでも悔やみきれない嫉妬に狂い彼に対し憎悪を浮かべた瞬間。狂おしいほど愛した彼の存在を確かめれば確かめるほど、言葉にならない感情が溢れ出すエモーショナルな映像となっている。最後には彼への想いを押し込めるように静かに目を閉じ、そっとその存在を心に刻んでいる様にも見える。『Summer of 85』8月20日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開
2021年03月25日現代フランス映画界を代表するセドリック・クラピッシュ監督最新作『パリのどこかで、あなたと』で主演を務めるフランソワ・シヴィルとアナ・ジラルド、クラピッシュ監督のコメントが到着した。パリの隣り合うアパートメントでひとり暮らしをしているレミーとメラニー役で今回W主演を務めたフランソワとアナは、クラピッシュ監督の『おかえり、ブルゴーニュへ』で姉弟役を演じた経験を持つ。再度クラピッシュ監督作品へ出演が決定したときの心境について、日本でも注目度上昇中のフランソワは「前作の撮影が終了した際、彼の作品であれば何でもやると彼に伝えていたので、僕に電話をかけてきてくれたとき本当に嬉しかったです」とふり返る。フランソワは、仕事に悩みやストレスを抱えながらも、前向きに生きようともがくひたむきな男性レミーを演じているが、「レミーのような豊かなキャラクターを提案してくれるのは俳優としてすごく喜ばしいことだと思いました」と話している。同じく前作からの再タッグとなったアナは、マッチングアプリで一夜限りの恋を繰り返し、ありのままの自分をさらけ出すことができずに悩む女性メラニーを演じた。アナは「セドリックにこの役をもらえるかずっと不安でした」と言いつつも、「でもどこかで、この役は私が演じるに違いないとも思っていた気もします」と出演を熱望していたという。そんな2人についてクラピッシュ監督は「レミーについては、おとなしい性格のキャラクターのため、はじめは明るくて健康的なイメージのあるフランソワにするのか悩んでいました」と明かしたが、「前作で彼の演技を見た際には、彼しかいないと感じました。反対にメラニーは、最初からアナ以外の他の人を考えたことはありません。本作は2人のために書かれているようなものです」と起用理由について説明した。パリに暮らす不器用な男女の出会いを描いた本作。パリで生まれ育ったフランソワは「まるで僕が毎日見ていたものを彼が撮影したようです。少しユニークで、リアルで、多くのパリジャンが慣れ親しんだ景色が映し出されていました」とクラピッシュ監督が映すパリの印象を語る。そして「現代のパリを描きたかった」と言うクラピッシュ監督は、「長い間パリを舞台にした作品を撮っていませんでしたが、その間に大きく変わっていました。私の知らない新しいパリを映し出したいと思いました」と思いを述べている。『パリのどこかで、あなたと』は12月11日(金)よりEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:パリのどこかで、あなたと 2020年12月11日より全国にて公開© 2019 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA
2020年11月18日東京国立近代美術館で10月11日(日)まで開催中の『ピーター・ドイグ展』は、アートファンだけでなく映画ファンにも心底見てほしい展覧会だ。「画家の中の画家」としてリスペクトされる、1959年スコットランドのエジンバラ生まれのピーター・ドイグは、大の映画好き。絵画への影響のみならず、自ら映画上映会を行ってそのポスターも自由に描いてしまう。そんな楽しげな油彩ドローイング40点が、展覧会のラスト、第3章「スタジオのなかで−コミュニティとしてのスタジオフィルムクラブ」に展示されているのだ。ドイグは、ロンドンの他にもう一つ、ポート・オブ・スペイン(トリニダード・トバゴ)の旧ラム酒蒸留所の建物の一角にスタジオを設けている。この街にはロンドンのような名画座やミニシアターがないため、ひと頃は毎週木曜日に友人作家のチェ・ラブレスと映画上映会「スタジオフィルムクラブ」を開催していた。誰でも無料で参加でき、上映後はお酒を呑みながら映画について話したり、音楽ライブが始まったり。絵画を黙々と描くばかりでなく、時にはスタジオを開放し、文化サロン的な交流の場にしていたというわけだ。『ピーター・ドイグ展』展示風景。左から2番目が『ブルーベルベット』のポスター例えば、デヴィッド・リンチ監督『ブルーベルベット』の耳(!)の絵の横に「5月1日、今晩」とあるように、これらは近隣住民に告知するため手早く描かれたもの。公式ポスターとは違い、ドイグの着想も楽しめる。フランソワ・トリュフォー監督『突然炎のごとく ジュールとジム』はロートレック風、ジョン・シュレシンジャー監督『真夜中のカーボーイ』はバスキアみたいなタッチ。『熱いトタン屋根の猫』のエリザベス・テイラー似ているなあ。と思えば日本映画もあって北野武版『座頭市』にはグフフ。『ピンポン』のペコとスマイルが描かれたラケットには爆笑。先日逝去した大林宣彦監督の初期ホラー『HOUSE ハウス』もあるが、脱力系で微笑ましい。《突然炎のごとくジュールとジム》2003年油彩、紙、57.5×72.5cmヴィーホフ・コレクション《座頭市》2004年油彩、紙72.5×57.5cmリンギア・コレクション《ピンポン》2007年油彩、紙84×59cmリンギア・コレクションジム・ジャームッシュ監督『ストレンジャー・ザン・パラダイス』、写真家ラリー・クラーク監督作『KIDS/キッズ』など懐かしのインディペンデント映画も。近作では、種族や性別を超えるヴァンパイアと少年の痛切で美しいスウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』が雪景色にカラフルな文字で。ゴダールにブレッソン。27歳で早世した歌姫エイミー・ワインハウスの伝記映画もある。《ストレンジャー・ザン・パラダイス》(「スタジオフィルムクラブ」より )2011年、油彩・紙、93.5×61.5cm、マイケル ヴェルナー ギャラリー蔵 (c)Peter Doig. Courtesy Michael Werner Gallery, New York and London. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019《KIDS/キッズ》2005年油彩、紙73×57.5cmリンギア・コレクション10代の頃のドイグは、友人とスキーやスケボーに興じ、古本屋や洋服屋、レコードショップや映画館に出入りしたりするのが好きだったそう。ロンドンの美術学校「セント・マーティンズ・スクール・オブ・アート」で学んでいた80年代には、すぐ近くの映画館に通っていたという。同時期に映画科にいたアイザック・ジュリアンの『ルッキング・フォー・ラングストン』も描いている。そんなドイグの絵画は、美術史も多様なカルチャーも血肉としたコラージュのようだ。都市と地方の格差、思春期、孤独、自然など、希望と絶望が表裏一体の現実を描いた映画がけっこうあり、人柄も感じる。『ピーター・ドイグ展』展示風景。左《エコー湖》(1998)、《カヌー=湖》(1997-98)さて、展覧会のメインである大型絵画は、影響を受けた二つの土地ーーカナダの森と湖を第1章、トリニダード・トバゴの海辺や町を第2章で紹介。1章には、『13日の金曜日』の最後に出てくる、湖に小舟が浮かび、人物が横たわるシーンにインスピレーションを受けたという《のまれる》《エコー湖》といった絵画がある。《エコー湖》にはムンクの《叫び》のイメージも含まれている。ちなみに3章に登場する『カビリアの夜』(監督:フェデリコ・フェリーニ)も湖が象徴的だ。また、第2章には、小津安二郎監督『東京物語』の静けさを念頭に置いた《ラペイルーズの壁》という絵画がある。熱海の防波堤なのかもしれないが、イメージはかなり飛躍している。《のまれる》 1990 年、油彩・キャンバス、197×241cm、ヤゲオ財団蔵 (c)Peter Doig. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006《ラペイルーズの壁》 2004 年、油彩・キャンバス、200×250.5cm、ニューヨーク近代美術館蔵 (c)Peter Doig. The Museum of Modern Art, New York. Gift of Anna Marie and Robert F. Shapiro in honor of Kynaston McShine, 2004. All rights reserved, DACS& JASPAR 2019 C3006ドイグが描きたくなるシーンとは、動の中の「静」を感じたときなのだろうか。構図や色彩など、2、3m級のペインティングにも映画好きが垣間見えるし、これから映画の見方も変わりそうな、映画ファンもワクワク、ニマニマとしてしまう展覧会だ。文:白坂由里
2020年09月28日ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞したフランソワ・オゾン監督最新作『グレース・オブ・ゴッド告発の時』が7月17日(金)より全国公開。この度、フランソワ・オゾン監督の貴重なインタビュー映像が解禁となった。「実在の関係者にあって映画化の意思を伝えると、最初に出た言葉は『フランス版“スポットライト”』だ」とオゾン監督は語る。「きっかけは偶然だった。男性のもろさを描く作品を描きたい」と思っていた監督は、「題材を探す中でロビー団体のサイトを見つけた。多くの証言の中にアレクサンドル(本作の主人公)のものもあった。カトリック教徒の彼は幼少期に自分に性的虐待し、未だ活動を続ける神父を告発したという。連絡をとって彼に会うと大量の資料を見せてくれた。すぐに事件に引き込まれたよ」と当時をふり返る。現実の出来事に最大限に忠実であろうとしたオゾン監督は、「リアリティを重視して、語り手が変わっていく構成になっている。まずアレクサンドルが沈黙を破り、教会に訴える。フランソワが引き継ぎ、記者会見を開きメディアに訴える。そして3人目が法的手段に訴える。3人の話が次から次へと切り替わることで、連鎖反応が起こり、ドミノ効果が生まれる」と、人々が連携していく姿を描きたかったという意図を明らかにした。最後に、「本作を作った目的は問題提起だ。ある質問で終わることで人々に考えてもらい、物事を変える議論をしてもらいたい。小児異性愛や性的虐待にある沈黙の掟を変えてもらいたい」と本作への強い想いを語り、締めくくったオゾン監督。フランスでは連日テレビやラジオで報道され、誰もが知る「プレナ神父事件」を基にした本作は、公開されるやいなや91万人を動員する大ヒットとなった。オゾン監督は実際にあった事件のあらましだけではなく、その内部に観客を導き、心揺さぶるヒューマンドラマとして魂を吹き込む。最後に映し出された男性たちの瞳の中にある、監督からの鋭い問いかけと深いメッセージを劇場で確かめてほしい。『グレース・オブ・ゴッド告発の時』は7月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年07月17日フランソワ・オゾン監督最新作『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』の公開を記念して、監督の旧作を一挙上映する「鬼才フランソワ・オゾンの世界」をシネ・リーブル池袋にて開催することが分かった。ジャンル、テーマ、作風が作品毎に変幻し、挑発的なサスペンスから生々しいエロティシズムまで、ジェンダーの垣根を越えた強烈な映像美とストーリーテラーで観客を幻惑してきたオゾン監督。今回は最新作公開直前の1週間、監督の近年の代表作6作品を一挙上映!カトリーヌ・ドヌーヴ主演、真っ赤なジャージ姿が話題となった『しあわせの雨傘』(’10)をはじめ、人間が持つ毒と日常に潜む狂気を、ユーモアを交えて炙り出す極上の大人サスペンス『危険なプロット』(’12)。名門校に通いながら売春に手を染める17歳の少女の大きく変化していくセクシュアリティ『17歳』 (’13)。普通の主婦が“特別な女ともだち”と出会ったことで、刺激と興奮に満ちた人生へと変わっていき、女性としての輝きを増していく様を描く『彼は秘密の女ともだち』 (’14)。『イヴ・サンローラン』のピエール・ニネ、『ルートヴィヒ』のパウラ・ベーアが出演する、カラーとモノクロで描くミステリー『婚約者の友人』 (’16)。そして、中身は正反対の双子の兄弟を巡る、エロティック・心理サスペンス『2重螺旋の恋人』(’17)といったラインアップとなっている。オゾン監督最新作『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』は、実際にあった“神父による児童への性的虐待事件”を取り扱い、初めて実話に挑戦した映画。ベルリン国際映画祭では銀熊賞(審査員グランプリ)の栄誉に輝き、本国フランスで公開されるや、心を震わせるヒューマンドラマとして絶賛され、91万人を動員する大ヒットを記録した本作が、ついに日本公開を迎える。「『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』公開記念鬼才フランソワ・オゾンの世界」は7月10日(金)よりシネ・リーブル池袋にて開催。『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』は7月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:しあわせの雨傘 2011年1月8日よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿ピカデリーほか全国順次公開© Mandarin Cinema 2010危険なプロット 2013年10月19日よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2012 Mandarin Cinéma-Mars Films-France 2 Cinéma-Foz17歳 2014年2月15日より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© MANDARIN CINEMA – MARS FILMS –FRANCE 2. CINEMA - FOZ彼は秘密の女ともだち 2015年8月8日よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2014 MANDARIN CINEMA – MARS FILM – FRANCE 2 CINEMA – FOZ婚約者の友人 2017年10月21日よりシネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開© Mandarin Production - FOZ - X FILME Creative Pool GmbH - Mars Films - France 2 Cinéma - Films Distribution ©2015 MANDARIN PRODUCTION-X FILME-MARS FILMS-FRANCE 2 CINEMA-FOZ-JEAN-CLAUDE MOIREAU
2020年06月29日第69回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した、フランソワ・オゾン監督最新作『By the Grace of God』(原題)の邦題を『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』として公開されることが決定した。■ストーリー妻と子どもたちと共にリヨンに住むアレクサンドルは、幼少期に自分を性的虐待したプレナ神父が、いまだ子どもたちに聖書を教えていることを知り、家族を守るため過去の出来事の告発を決意する。最初は関わりを拒んでいたフランソワ、長年1人で傷を抱えてきたエマニュエルら、同じく被害にあった男たちの輪が徐々に広がっていく。しかし、教会側はプレナの罪を認めつつも、責任は巧みにかわそうとする。アレクサンドルたちは信仰と告発の狭間で葛藤しながら、沈黙を破った代償――社会や家族との軋轢とも戦わなければならなかった。果たして、彼らが人生をかけた告発のゆくえは――?■衝撃の実話を描くフランソワ・オゾン監督最新作フランスではいま現在も裁判が進行中の「プレナ神父事件」。1人の勇気ある告発者から端を発した児童への性的虐待事件は、結果的に80人以上もの被害者が名乗りをあげ、プレナ神父が教区を変えながら長年にわたって信者家庭の少年たちに性的暴行を働いていたという驚くべき事実が白日の下にさらされた。フランスのみならずヨーロッパを震撼させたこの衝撃の事件に挑むのは、いまやフランス映画界のトップにして最先端に立つフランソワ・オゾン監督。何十年経ってもなお、虐待のトラウマに苦しむ男たちが告発するまでの“葛藤”と、社会や家族との軋轢など告発したことによる“代償”、それでも告発によって確かに生まれた“希望”を紡ぎ出す。主演を務めるのは、『ミステリーズ 運命のリスボン』『わたしはロランス』のメルヴィル・プポー。共演には、ドゥニ・メノーシェ、スワン・アルロー、ジョジアーヌ・バラスコ、エレーヌ・ヴァンサンらが名を連ね、人生を破壊する性的虐待という暴力の恐ろしさとそこから再生していく人間の力強さ、そしてそれを支える家族の愛が描き出される。『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』は7月、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年04月30日是枝裕和監督の最新作『真実』の主演を務めたカトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュの来日が決定、10月初旬に行われるジャパンプレミアにも参加するという。是枝監督初の国際共同製作となった本作。先日は、日本人監督として初の快挙となるヴェネチア国際映画祭コンペティション部門オープニング作品としてワールドプレミアを飾ったばかり。是枝監督が本作でオファーしたのは、監督が海外で最も尊敬する女優であるという2人。『シェルブールの雨傘』(’63)や『ロシュフォールの恋人たち』(’66)で知られるフランス映画界が誇る至宝カトリーヌ・ドヌーヴは、名匠フランソワ・トリュフォー監督の『終電車』(’80)でセザール賞を受賞、2度目のセザール賞に輝いた『インドシナ』(’92)ではアカデミー賞にもノミネートされ、フランス映画のアイコンとして君臨。近年では、ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した『8人の女たち』(’02)やセザール賞ノミネートの『しあわせの雨傘』(’10)などフランソワ・オゾン監督作品でも高く評価され、2008年にはカンヌ国際映画祭で特別賞を贈られた。本作では、まるで自身さながらの国民的大女優役に。もともと是枝作品のファンであり、今回監督が書き上げたオリジナル脚本に惚れ込み、出演オファーを快諾したという。また、アメリカで脚本家として活躍する娘役を演じるのは、ジュリエット・ビノシュ。2005年に是枝監督と出会って以来交流を重ね、「いつか一緒に映画を作りましょう」という約束が今回実現。巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督の『ゴダールのマリア』(’84)で注目され、レオス・カラックス監督の『汚れた血』(’86)で日本でも高い人気を獲得し、同じく『ポンヌフの恋人』(’91)、アカデミー賞を受賞した『イングリッシュ・ペイシェント』(’96)など、世界でその高い演技力が称賛されている。『トスカーナの贋作』(’10)でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞、『GODZILLA ゴジラ』(’14)、『ゴースト・イン・ザ・シェル』(’17)などハリウッドでの活躍も知られる。構想8年、是枝監督の渾身作ともいえる本作。2人は10月初旬に行われるジャパンプレミアにも参加する予定となっている。『真実』は10月11日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年09月12日映画専門サービス「BS10 スターチャンネル」が、9月20日より「Amazon Prime Video チャンネル」(以下「Prime Video チャンネル」)にて新サービス「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」(以下「スターチャンネルEX」)をスタートさせた。「スターチャンネルEX」は、最新の海外ドラマとスターチャンネルの厳選良作映画が見られる新サービス。世界中で話題沸騰、大ヒット中の「ゲーム・オブ・スローンズ」や「ウエストワールド」の最新シーズンをはじめ、ジェームズ・フランコ主演で米国ポルノ産業の勃興を赤裸々に描いた「DEUCE/ポルノストリート in NY」や、かつてフランソワ・トリュフォー監督が映画化したレイ・ブラッドベリの近未来SF小説「華氏451度」を、マイケル・B・ジョーダン主演で再映像化した「華氏451」(10月配信)など、スターチャンネルが国内で“独占最速放送”を行う米国HBO(R)のハイクオリティな海外ドラマや、オリジナル映画の最新作をいち早く視聴できるという。そのほか、昨年劇場公開されたクリスティン・スチュアート主演のフランスのサイコスリラー『パーソナル・ショッパー』といった、スターチャンネル厳選の良作ラインナップ“STAR CHANNEL MOVIES”新作と、ほかの配信サービスではなかなか見られない、映画好き必見の作品が揃う。なお、この「スターチャンネルEX」は、Amazon プライム会員が利用することができ、「Prime Video チャンネル」で登録をすれば、すぐにライブ配信とオンデマンドで視聴開始できる。価格は見放題の月額900円(税抜)で、初回14日間は無料となっている。(cinemacafe.net)■関連作品:ゲーム・オブ・スローンズ[海外TVドラマ]© 2012 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.
2018年09月21日“国民的人気コメディ映画”『男はつらいよ』。この度、シリーズ50作目となる最新作の製作を行うことが9月6日の昨日、都内で行われた会見で明らかになった。『男はつらいよ』シリーズは、1969年8月に第1作が劇場公開。特別篇を含む全49作が製作され、“寅さん”こと車寅次郎は、時代も世代も超えて愛され続けている。来年、記念すべき50周年を迎える本シリーズだが、これを記念し、『男はつらいよ』50周年プロジェクトの始動が決定。本プロジェクト発表会見では、50年目にして、50作目となる22年ぶりの新作を製作することが明かされ、「10月中旬から撮影所や柴又など、寅さんゆかりの地で都内ロケ開始」「主演は渥美清さん」「倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆を始めとしたくるまやお馴染みの人物が登場」という概要も発表された。今回の新作決定に、「一体、どうやって…!?」「まさかの50作品目が来年みれるとは」「男はつらいよの新作は何にしても楽しみ」と期待する投稿が寄せられている。また、Twitterでは「#こんな寅さんの新作は嫌だ」というタグがトレンドに上がり、このタグを付け、「魔界編」「寅さん公務員になるの巻」「寅さんがセリフの中にしか登場しない」「寅さんがゾンビ化して源公を襲う」「男はつらいよ寅次郎vs桃次郎」「ずっとTwitterしてる寅さん」「エンディングでアクションのNGシーンが流れる」などと想像力豊かなツイートもされている。会見に登壇した山田洋次監督は、「フランソワ・トリュフォー監督が『大人は判ってくれない』のジャン=ピエール・レオーを20年後に起用して青春映画を作っていたが、『男はつらいよ』は毎年毎年、継続して年に2回ずつ成長の記録を追いかけてきた。一人の少年の精神世界の成長を描いて大人になってしまうまでを、なんとかして映画にして、面白く伝えられないか。何年も前から考えていたことが、50周年を機に実現できる」と新作への思いを明かし、「主演はあくまでも渥美清であることが大事。その上で、いま、僕たちは幸せかい?との問いかけが、この作品のテーマになるんじゃないかと思う。新作の中で、この映画の全ての登場人物に観客は出会えるんじゃないかと思っている」とコメントしている。一方、シリーズで諏訪さくらを演じた倍賞千恵子は、「新作のお話を聞いたときに、『えっ、お兄ちゃん(寅さん)いないのに、どうするんだろう?』と驚いた」と心境を明かしつつ、「もしお兄ちゃんがどこかで見ていたら、『おい、さくら、まだ山田監督と映画を作るんだよ』と言っているような気もするんですね」と話し、「23年ぶりに諏訪家のみんなと映画を作ることができて嬉しいです」と喜びを語った。なお、新作製作のほかにも、これまでの全49作の4Kデジタル修復やテレビ放映、展覧会、小説の出版などの数々のプロジェクトも始まるようだ。『男はつらいよ』50作目となる最新作は、2019年全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2018年09月07日