NASAを支えた黒人女性たちの前に立ちはだかるものとは…『ドリーム』
オール白人男性の職場で待ち受けていたのは、渡される資料は重要な箇所が黒く塗りつぶされ、大事な情報が巡るはずの会議には「黒人女性だから」という理由で参加させてもらえないという状況。それでもキャサリンはめげることなく、試行錯誤しながら、目の前にある自分にしかできない高度な計算を次々とこなしていく。
また、ほとんど管理職と同じような仕事をこなしているドロシー(オクタヴィア・スペンサー)も、昇進を望み、上司ミッチェル(キルスティン・ダンスト)にかけ合うものの、「黒人グループには管理職を置かない」との一点張り。すげなく却下されてしまうが、黒人女性初の管理職として、また、コンピューターが人間の計算にとって代わる未来を展望して、彼女はひたむきに闘い続けていく。
さらに、鋭い観察眼で設計に携わるメアリー(ジャネール・モネイ)も、その才能に見合った評価をしてもらえず、上司には「君が白人男性ならエンジニア希望かね?」と問われるも、「別に。もうエンジニアですから」と、強気の反撃で折れることなく夢の実現に邁進。必要な学位を取得するために、白人だらけの学校の門をたたく。
いままでに居なかったタイプの優秀な新入りに何かと突っかかる同僚、無自覚な偏見から正当な評価を与えてくれず、出世の道を閉ざす上司など、この作品に登場する困り者たちのように、あなたの周囲にも思い当たる人がいたりして…?
それでも、自分の能力を信じ、ひたむきに前進し続ける彼女たちの姿は、きっとあなたの背中を押し、勇気と大きなヒントを与えてくれるに違いない。