2017年10月18日 20:45
【シネマVOYAGE】はじまりは50秒の作品だった――映画のルーツを旅する『リュミエール!』
その数に驚くかもしれないが、1本は約50秒、90分の旅だ。その50秒の世界がどれも素晴らしい。
リュミエール工場の門から従業員たちが次々と出てくる『工場の出口』、水撒きをしている大人に子どもがいたずらを仕掛ける『水を撒かれた撒水夫』、赤ん坊を中央にして夫婦が食事をする『赤ん坊の食事』など、舞台はフランスだけでなく、スイス、イギリス、イタリア、ロシア、アメリカ、エジプト、スペイン、メキシコ、カナダ、ベトナム、カンボジア、日本…世界各国にわたり、その国の人々を撮影している。
どれも日常の出来事を記録した映画だが、わずか50秒のなかにドラマがあり、躍動感があり、そして構図が美しい。1作品ずつ構図の素晴らしさについての解説があり、まるで映画講座を受けているようで面白い。『リュミエール!』を観ることで、その後に観る映画はもっと面白くなるだろう。(text:Rie Shintani)
(text:Rie Shintani)
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