【独女のたわごとvol.44】恋をした、張り裂けそうな気持ちをもう一度『君の名前で僕を呼んで』
タイトルでもあり劇中に登場するセリフでもある「君の名前で僕を呼んで」。このセリフのシーンも美しかった!好きな人に名前を呼ばれるって、実はとてもドキドキする瞬間なんですよね。
ベッドのなかで名前をささやかれるのはもちろん、そのずっと手前──「古山さん」と苗字で呼ばれていたのに、少し親密になって、ある日「エリーさん」と名前に変わって、やがて「エリー」になっていく。呼ばれ方が少しずつ変わっていくことにドキドキしたこと、そういえばあったなぁなんて、過去の恋を思い出したりしました。そう、この映画は恋をしたときの気持ち、あの何ともいえない切ない気持ち、張り裂けそうな気持ちを思い出せてくれるんです。
レオナルド・ディカプリオ以来の才能と言われている、エリオ役のティモシー・シャラメの才能と美しさにも惚れました。オリヴァーと出会って、自分のなかで芽生えた感情に戸惑いながら、オリヴァーに振り回されながら、初めての恋と向きあっていくエリオ。この気持ちを君に伝えていいの?君に触れていいの?君を好きになっていいの?もう、枯れかけていた四十路の心が潤っちゃうほど、恋する気持ちが描かれています。
エリオとしてのティモシー・シャラメの表情を映し続けたラストシーン、ラストショット、心が震えました。