くらし情報『「本物の方が怖いかも(笑)」『ディア・ドクター』西川美和が描く、愛すべきニセモノ』

「本物の方が怖いかも(笑)」『ディア・ドクター』西川美和が描く、愛すべきニセモノ

同時に、「生まれて初めて」という入院生活を送ったことも影響したようだ。
「実際に世の中で言われるような、医療に関する不満みたいな部分を実感したところもありました。診察する先生が毎日替わって、同じ説明を毎回繰り返さなくちゃいけなかったり。一方で、こんなに大変な仕事があるんだろうか?と思うくらい、忙しい実態も目の当たりにしました。私が入院したのは都内の大学病院でしたが、その裏返しのような存在が僻地の診療所なんです。現代医療においては、必要がない治療方法をあえて施し、それで患者は安心したり、患者の性格的な部分までを踏まえて診ている。大学病院と僻地の先生で求められる技術の質が違うんですよ」。

話を聞いていると、すでに監督自身、立派な無免許医師になれそうだが…。

「多分、誰でもなりうると思います(あっさり)。実際にお話を伺った先生もそう言ってました(笑)。机で学ぶことがいかに微細なことなのか、とベテランの方ほどおっしゃいますね。絶対ムリ、とはじめは思ってたんだけど、取材や勉強を進めていくうちに、何となくそれが分かってきました」。初主演となった鶴瓶さんの魅力を監督は「ライブ」と表現する。
「(鶴瓶)

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