【インタビュー】鈴木敏夫が明かす、スタジオジブリが短編を制作する理由
ちょうどその頃、手書きだったアニメーションにCGというのが始まったんですよ。百瀬さんという方は早くから、CGで作ったアニメ作品に関わっている人なんですよね。中田くんの音楽を考えると、ジブリでCGを実験するいい機会かなと思ったんです。それで引き受けた記憶がありますね」。
「結果としてジブリと肌合いが違う作品が出来上がるというのは、最初から覚悟していました。そこでやったことが未来を切り開けばいいな、と考えていたんです。そういうところで思考実験をやっていますね。なかなかそういう練習ってできないんですよ」。
さらに鈴木さんは短編制作において自身の想いをこう語った。「そもそもアニメーションの究極って何か?というと、四角や三角のものを動かすとか、そういうシンプルなこと。モノに命を吹き込んで動く楽しさって、ものすごく単純なものになってくるんですよね。分かりやすいモノを動かして楽しかったら素敵でしょ。多分子どもが一番喜ぶと思うんです。だから本当は、ショートショートでそういうことをやりたい。凝りすぎたものを作ってもしょうがないんじゃないかって、僕はどこかで思っているんですよね」。
鈴木敏夫とアニメーターたちの関係
――「アニメーターは“役者”」