【インタビュー】鈴木敏夫が明かす、スタジオジブリが短編を制作する理由
日頃、やってみたいと思っていてもできなかった企画をやることができて面白かったし、CM(ショートショート)は意味があったかなと思っています」。
アニメーションとしての面白さを追求しつつも、企業CMであれば企業側の要望とのバランスを取る必要がありそうだが、「それは簡単ですよ」と鈴木さんは答えた。
「最初から制作の条件に入れるんです、“好きなように作る”って。『注文に応じるのが苦手なので』って丁寧に謝るんですよ(笑)。企画会議なんて絶対やらないんですよね。まずは好きなようにやらせてもらってダメだったらやめましょうって。態度でかいですよね(笑)。だからこちらで出したアイディアで色々ボツになったものとかありますよ。
僕らとしては良いと思ったものが、ご理解いただけないこともありました(笑)」。
短編制作ならではの“実験精神”が
新たな映像表現の追求を可能にする
これまでプロデューサーとして長編を手がけてきた鈴木さん。いざ短編のプロデュースをやってみてわかったことがあるという。
「作品を作るとき、まずキャラクターを作らないといけないでしょ。状況設定によって大道具や小道具も決めないといけない。音楽も作る、声も入れる…15秒の作品でも2時間の作品でも、やらなきゃいけないことは一緒なんですよ。