【インタビュー】鈴木敏夫が明かす、スタジオジブリが短編を制作する理由
“これ効率悪いな!”と思ったことがあるんですよね(笑)。“短いから早くできるだろ”なんて嘘ですよ。やらなきゃいけないこと同じなんだもの(笑)」。
だからこそ短編制作をやる理由は、アニメーターの“やってみたい”を実現するための実験的要素が強いという。
「ジブリでやっちゃいけないことって公序良俗に反するってことでしょ。でも作品って公序良俗に反したほうが面白いんですよね。そこが難しいですよね。多くの人に観てもらわないといけない。
そうすると収まるところに収まる」。
「僕らの作品ってお金も時間もかかる。そうすると回収が大変でしょ。とがった作品を作るのは非常に難しいんですよね。そういうところでいうと、短編は“実験精神”でちょっととがったことに挑戦することができる。そういう違いはあるんじゃないですかね」。
実際、百瀬ヨシユキ(義行)と中田ヤスタカのコラボレート・アニメーションとして制作された、capsuleの楽曲「ポータブル空港」のミュージッククリップでは“実験精神”が大いに活かされたようだ。
「当時、お付き合いのあったYAMAHAさんの所属だった中田くんのプロモーションビデオをジブリで作れないだろうかという話が来たんですよ。