2019年9月19日 07:45
【インタビュー】池松壮亮の“俳優道”「コップ1杯の達成感と共に進んでいく」
とあっさり。
「なりますけど、そのままでいるわけにはいかない。宮本になぞらえて言うなら、どんなに頑張っても彼がすべての問題を解決できるわけではないのと同じように、どんなにやり切っても、僕がもらえるのはコップ1杯の達成感。本当に、そのレベルで。撮影が終わった直後ですら、疲弊しながらも“次はどうしようかな?”と考えていますからね。宮本に“勝ち”がないように、僕もそうやって進んでいくんだと思います」。
進むには、「出会い」が重要だとも。では、出会いを引き寄せるためにすべきことは?
「願うこと…かな?言葉にすると、超簡単ですけど。
僕を含め、願わずして奇跡が起こるものだとみんなが思い過ぎているような。待っていても、何も始まらないですからね。長い人生で考えれば、その人にとっての喜びが向こうからやって来ることもあるかもしれないけど。苦労せずして、何かが始まるのを期待するのは間違っている気がする」。
1つの作品と長い時間を共にした。何人もの名監督たちと組んだ。映画賞の授賞式で壇上に上がりもした。走り抜けた分だけ、出演本数が増えた。
来年の7月で、30歳。30代を楽しみにしているか?と最後に訊ねると、少し考え込んでから表情を和らげた。