2019年10月5日 13:00
アーサーが悪のカリスマになるまで…『ジョーカー』のテーマは“思いやりの欠如”
思いやりや共感に欠け、治安が悪化した社会から生まれるのがジョーカーなんだよ」と語る。
さらに、ホアキン・フェニックスは「例えば、誰かが道で殴られているのを見たら、その痛みや辛さを想像することができるよね。同じように、映画を観る人が、アーサーに共感してくれたら良いなと思うんだ。感情移入というのは人間の普遍的なことだからね」と語り、アーサーというキャラクターは、観客が思わず共感してしまうような一面も持っていることを明かす。
そしてフィリップス監督もまた、「この映画が人々の心に響いて、世界に少しでも温もりが増えるといいなと思うよ」と言う。圧倒的な悪を描く映画でありながら、思いやりや共感する心を持ってほしいという優しくて温かいメッセージが本作には込められている、というのだ。
本作は、第76回ヴェネツィア国際映画祭で8分間のスタンディング・オベーションが巻き起こり、最高賞の金獅子賞を受賞。世界三大映画祭でアメコミ作品が最高賞を受賞するのは初の快挙となり、映画史を大きく塗り替える受賞となった。
すでにアカデミー賞最有力といわれている本作の、“衝撃”とその裏にあるメッセージを、劇場で確かめてみてほしい。