『ドクター・スリープ』が描き直すことに成功した 「シャイニング」の本当の意味
の「輝く」の部分だ。ちなみにレノンはキューブリックとJ・R・R・トールキン「指輪物語」の大ファンで、ビートルズ在籍時にキューブリックのオフィス(キューブリックは1961年にニューヨークからロンドンに移住して以来、生涯ロンドンに活動拠点を置いた)を訪れて、ビートルズとして出演も楽曲の提供もするから「指輪物語」を映画化してほしいと直談判したが、キューブリックはそのアイディアを却下した。
『ドクター・スリープ』は映画続編&映像化作品として完璧な仕上がりに
話を戻そう。映画『シャイニング』では、主に「悪しきもの」を呼び寄せる力として描かれていた「シャイニング」(≒特別な力)だが、レノンの歌詞からのインスピレーションであることからわかるように、本来そこには「善きもの」をこの世界にもたらす力という側面もあった。そして、それはきっと少年時代のキングにとっては、アルコール依存症の父親に支配された家庭の中で自分の未来を信じる力でもあったはずだ。マイク・フラナガンによる映画『ドクター・スリープ』が、その「シャイニング」(≒特別な力)をめぐる「善」と「悪」の戦いの物語となったのには、そのように正当な理由があるのだ。