シャルロット・ゲンズブール「自分の体つきを変えないと」…驚異の役作りを監督語る『母との約束、250通の手紙』
とふり返る。
「もっとお尻やお腹や胸に肉をつけて、髪もよれよれにしないといけないというんだ。衝動的にタバコを吸う人が無意識のうちにする癖を身につけるために、彼女は普段からタバコを吸い始めた。ニナに似せるために、少しアヒルみたいな歩き方もした。ある日シャルロットが、ニナの言葉には訛りがあるはずだと言ってきた。しかし、僕はそれに反対だった。絶対にうまくいかないし、非現実的だと彼女を説得しようとした。でも彼女は引かなかった。
撮影の初日、彼女がつけた訛りはぴったりで、本人を生き返らせたような感じだったよ。彼女は、膨大な仕事をこなしながら、遊び心も持つことができて、どこからともなく出てくる新しいアイデアを考慮することができる女優なんだ」と、その役作りについて感服した様子で語った。
歌手で俳優、映画監督のセルジュ・ゲンズブールと英女優ジェーン・バーキンの間に生まれ、若いころから注目を浴び、永遠の“フレンチガール”というステイタスシンボルとしての不動の地位を持ち、音楽活動でも成功を収めているシャルロット・ゲンズブール。ラース・フォン・トリアー監督作品では衝撃的な役を演じる一方、どうしても色眼鏡で見られてしまうことが多かった。