『アングスト/不安』を「60回は見た」ファン代表ギャスパー・ノエからのメッセージ
と驚きの発言。当時からこの作品に打ちのめされた1人だと明かす。
さらに、世界各国で上映が禁止されたことにより、「この映画は観た人がほとんどいない、全く無名の作品であることもこの映画の魅力だ」と語り、「常に素晴らしい作品が影を潜めていて、再評価されるべきものがある」と本作が再び日の目を浴びることに、喜びと期待をあらわにした。ちなみに、ノエが過去に人生ベスト5 にピックアップした映画は、『アルゴ探検隊の大冒険』(63)、『2001年宇宙の旅』(68)、『イレイザーヘッド』(76)、『ソドムの市』(75)、そして本作『アングスト/不安』だ。
「映画史上最も重要なカメラワーク」
また、ノエは注目すべきシーンとして斬新なカメラワークを挙げ、「見事なテクニックと映像の捉え方は絶対に観てほしいところだ。映画史上最も重要なカメラワークと言えるだろう」と撮影を担当した世界的な映像作家ズビグニェフ・リプチンスキの撮影技術を絶賛。
アカデミー賞最優秀短編アニメ賞を受賞した『タンゴ』やジョン・レノン、ミック・ジャガーのMVで知られるリプチンスキの独特なカメラ表現は、ノエや『ブラック・スワン』監督ダーレン・アロノフスキーにも影響を与えるなど、スリラー映画におけるカメラワークの根幹を築いたともいえる。