イザベル・ユペール&マリサ・トメイ、親友の思い受け取るシーン到着『ポルトガル、夏の終わり』
と笑顔を見せようとするフランキーだが、その目には涙が浮かぶ。しかし、フランキーを気遣うアイリーンの「ここ、どの辺り?」という言葉をきっかけに、すぐに“旅を楽しむ”ふたりに戻っていくのだ。悲しみを堪えて「共にいい時間を過ごしたい」というフランキーの願いをアイリーンも感じ取ったことがうかがえる印象的な場面となっている。
ユペールはフランキーについて「心の奥底でフランキーがなにより耐えられないと思っているのは、周りの人たちが泣くこと。それが彼女が苦痛から距離を置こうとするもうひとつの理由でもある。そして彼女は、逃げ道を見つけようとするどんなにささいな試みをも拒んでいる。逃げ道などないことを知っているから。言い換えると、治療の可能性を考えることの拒否が、彼女の症状の重さを明らかにしているといえるでしょうね」と、その心境を分析している。
そんなフランキーの“この旅における密かな目論見”には、信頼を寄せる親友アイリーンに関することも含まれているのだが、そのアイリーンもまた人生の岐路に立たされている。フランキーが親友にかける言葉にも注目だ。
『ポルトガル、夏の終わり』は8月14日(金) よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。