『靴ひも』監督、実は「作りたくはなかった」映画製作の経緯明かす
それがこの映画を撮ることへの十分な理由となり決意しました」と映画化へ至った経緯を明かした。
また、本作について「精神科という面からみても非常に興味深く、作品としてもとても完成度が高い」と感想を述べたのは、日本の発達障がいについての解説者として、この日登壇した岩波明(昭和大学医学部精神医学講座教授)。監督へ「日本とイスラエルの比較として、日本ではまだ当事者の方の施設など対応が不十分ですが、イスラエルはどのような状況なのでしょうか?」と質問すると、「息子のいる村は、世界になかなかないほどの高い水準を誇っている施設だと思います。入居者の特性を活かす形で共同生活を送っています。ですが、ここは公的ではなく民間の運営で賄われています。政府からの補助は受けていますが充分ではなく、まだまだ改善の余地があると強く感じています」と現状と課題について語る監督。
そして観客との質疑応答では、映画の登場人物が発達障がいに対して理解のある人たちであることを挙げ、「イスラエルの社会は映画のように成熟しているのか?」という問いかけには、監督は「それは日本人とイスラエル人のメンタリティの違いかもせれません。イスラエル人は外交的すぎる部分もあります(笑)。