性的指向・性自認は流動的で人の数だけ存在する――多様な価値観を提示する「17.3 about a sex」は気づきや学びの宝庫
「僕だけが17歳の世界で」「フォローされたら終わり」など、これまでのオリジナル作品で高く支持され、日本で最もティーン世代に観られている「ABEMA」発だからこそ、等身大の彼女たちの経験や心情に寄り添いながら実に見やすく、分かりやすく性について描かれているのが特徴的。
主人公の3人を演じるのが、リアル女子高校生の永瀬莉子、田鍋梨々花、秋田汐梨であることはもちろん、性教育監修として慶應義塾大学の現役大学生であり、性教育プロデューサーとしての活動も行う中島梨乃や、“リアル17.3代表”として、初の著書「ありのままの私を受け入れずに批判する奴には、心の中で中指立てればいい」を出版したインフルエンサー、ひかりんちょが関わっている点も大きく、学校の休み時間や放課後のファミレスで交わされる友達同士の会話にもリアルさが表現されている(ひかりんちょさんのカメオ出演にも注目)。
例えば、1話。「ね、めっちゃ変なこと聞いていい?」から始まる咲良(永瀬さん)の悩み事「処女卒業」に関しても、英語のポッピングチェリー、略して“ポプチェ”という言い方を彼女たちが前向きな形で使うことによってグッとポップで身近なものになる。