【レビュー】『エノーラ・ホームズの事件簿』は“新世代”ミリー・ボビー・ブラウンからのエンパワーメント
当初は“見捨てられた”という思いのほうが強かったエノーラだが、次第に母の思いが見えてくる。自らの目で物事を見聞きし、想像力を働かせ、勇気を持って事実に対峙し、ときには闘う、そんな母の教えがエノーラの中にも息づいていることが分かる。
エノーラがロンドンのティールームで出会う、母の知人イーディス(スーザン・ウォーコマ)の言葉もとりわけ印象深い。エノーラの後を追ってきたシャーロックに対して、「(女性が)無力である苦しさを知らない」「世の中の変化は見えてる?」と、現代にも十分通じる無自覚な特権意識を突いてシャーロックをタジタジにさせる。
母を探し出す冒険から、思いもかけない形で新しい世界と連帯の形を知ることになるエノーラ。彼女の人生はまだ始まったばかり。この物語の続きもぜひ、観てみたい。
Netflix映画『エノーラ・ホームズの事件簿』は独占配信中。
(text:Reiko Uehara)
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