安田顕「切ないんだけど、じわっと温かい涙が」『ホテルローヤル』北海道に凱旋報告
受けさせていただきます』と返事をしました。台本を読んでみると、雅代は主人公ですが、物語の色々な出来事を端っこで眺めているような、主張がなかなか見えてこない女性。台詞も「……」が多く、ただ立っているだけになるのではという不安もありましたが、雅代とホテルローヤルの物語の中に一つ一つ普遍的にあるものを見つけられたらと思いながら挑みました」と、原作への思いの丈と、雅代というキャラクターの役作りに関してふり返った。
また、安田さんは、「随分前から桜木さんに『もし私の作品が映画化することがあったらぜひ出てくだいね』とありがたい言葉をいただいていたんです。俳優としてこの作品に呼んでいただいて、本当にありがたく思っています」と前々から桜木さんのラブコールを受けていたことに触れ、改めて桜木さんに感謝。
映画を観て「映画という表現に書き手の内面を素っ裸にされたような気持ちになった。脱がせたつもりが脱がされていた」とコメントを寄せた桜木さんは、「悔しかったんです」とひと言。それに応えるように武監督は、「桜木さんの作品を片っ端から読んで、全てを取り入れました!」と桜木さんのあらゆる文章からヒントを得ていたことを明かし、「原作のオムニバスは非常に映画的な題材だと思いました。