『燃ゆる女の肖像』求め合うふたりの心を音楽が近づける…本編映像入手
をできるような状況にありませんが、エロイーズを演じる上で私が追求したのは、レジスタンスのもたらす可能性です。私たちは、現実に存在し抵抗する人物の生き様を描きたいと思いました」と語る。
マリアンヌとエロイーズがともに過ごすわずかな日々を通じて、ふたりの心にどんな解放と“レジスタンス”が生まれるのか、注目したい。
音楽を「求めながらも遠い存在のものとして描きたい」
ちなみに、本作では音楽がこの「夏」を含め2曲しか使われておらず、それは登場人物たちが実際に歌い奏で耳にする音楽だ。セリーヌ・シアマ監督はこうした音楽の使い方について、「彼女たちの人生において、音楽は求めながらも遠い存在のものとして描きたいと思いました。そして、その感覚を観客の皆さんにも共有してほしかったのです」と明かし、「この映画で、美術や文学や音楽などのアートこそが、私たちの感情を完全に解放してくれることを描きたいと思いました」と狙いを語る。
また、「夏」は後のシーンで実際にオーケストラによる曲としても登場する。シアマ監督が最初に脚本に取り掛かったのがそのシーンであるといい、そこで「夏」を使うことは当初から考えていたという。