黒沢清「官能も恐怖も申し分なし」“水の精”描く『水を抱く女』にコメント&新場面写真も
これは今までに他の俳優コンビの間では感じたことはありません。彼らのあらゆる触れ合い、あらゆる視線、すべてが信頼と尊敬と信じられないほどの解放感に満ちています」と、監督が賛辞を贈るほど。
さらに黒沢清監督は「ドイツ製ダーク・ファンタジーだ。ベルリンの地縛霊が忽然とよみがえり、官能も恐怖も申し分なし。こんなのがあったんだ」とコメントし、『スパイの妻』でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した際の審査員だったペッツォルト監督最新作に驚きの声を寄せる。
また、『淵に立つ』や『よこがお』を手掛ける深田晃司監督は、「パウラ・ベーアの視線に導かれベルリンがミクロの街角からマクロの歴史へと展げられていく快感。しかし、そこにあるのはひとりの女性への呪いだった。呪いをかけたのは誰か。
巨大な悲しみをこの映画は私たちへと投げかける」と語る。
そして劇画家・声楽家の池田理代子は、「チャイコフスキーに『ウンディーネ』を、ドヴォルザークに『ルサルカ』を作らせ、アンデルセンに『人魚姫』を書かせた、魅惑に満ちた『水の精』の神話。永遠に人々を魅了してやまないウンディーネ(オンディーヌ)の物語が、二人の名優を得て、現代を舞台の映画として登場した。