くらし情報『可愛い見た目に反して猛毒が潜む『プロミシング・ヤング・ウーマン』』

2021年7月16日 18:10

可愛い見た目に反して猛毒が潜む『プロミシング・ヤング・ウーマン』

Photo by cinemacafe.net

《text:宇垣美里》

色とりどりのキャンディーのようにスイートで鮮やかな色彩、ポップで踊れるサウンドやガーリーな衣装がスタイリッシュでかわいい『プロミシング・ヤング・ウーマン』。エメラルド・フェネル監督が「女の子が好きなものを再利用して恐ろしいものを作りたかったの」と言ったこの映画には、可愛い見た目に反して猛毒が潜んでる。デートムービーだと思って観に行ったらとんだ目に逢うだろう。

題名の通り“未来を約束された若い女性”だったはずのキャシーは、ある事件によって医大を中退。昼間はカフェの店員として働きながら、夜な夜なクラブで泥酔したふりをして、女性をお持ち帰りし弄ぼうとした男どもに裁きを下していた。

ある時はスリラー、ある時はラブコメ。ミュージカル調に歌って踊ったかと思えば、愚かな男を真顔で詰めて震え上がらせる。メイクと表情で雰囲気をがらりと変え、恋の喜びも忘れられない怒りも孤独も決心も、全部ひっくるめて見事に表現した主演のキャリー・マリガンの怪演は必見。
ジャンルをひょいと飛び越え見る者を翻弄する一方、全編を突き通しているのは“性暴力を笑いごととして消費させてたまるかよ”という太い芯だ。

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