くらし情報『ミュージカル映画の可能性を広げた『イン・ザ・ハイツ』の「新しさ」』

2021年7月31日 18:30

ミュージカル映画の可能性を広げた『イン・ザ・ハイツ』の「新しさ」

まで受賞した2015年初演の舞台『ハミルトン』が未上演の日本では、まだその実感を持っている人は少ないかもしれないが、実際に彼が成し遂げてきたのはミュージカルという表現フォーマットそのものの革新に他ならない。

その鍵となるのは、すばり「ラップの導入」だ。アメリカ建国の歴史を全有色人種キャストで綴った『ハミルトン』の衝撃は「ヒップホップ・ミュージカル」という呼称で世界に広がったが、そのさらに10年前にオフ・ブロードウェイで上演された舞台『イン・ザ・ハイツ』もまた、音楽的にはサルサやメレンゲやレゲトンなどのラテンミュージックが主軸となっているが、その歌唱スタイルにおいては多くの曲でラップの手法が用いられている。

どうしてラップの手法がミュージカルに革新をもたらすことになるのか?それは、ミュージカル特有の「不自然さ」を大きく緩和するからだ。政治家や活動家の優れた演説に耳を傾けている時、対立する相手を説き伏せようと言葉を捲し立てている時、あるいは好きな誰かを言葉巧みに口説こうとしている時、「なんか今の話し方、ラップみたいだな」と思ったことはないだろうか。もともと、ラップとは日常会話の延長上にある表現形式だ。

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