2021年9月11日 17:00
女性の視点も描いた『羅生門』的手法に注目集まる『最後の決闘裁判』ヴェネチアでワールドプレミア
と語り、現代的なテーマへ一石を投じる側面があることを明かした。
実際に執り行われた“決闘裁判”ながら歴史的には男性側の視点でしか記録や資料が残されておらず、これまで抜け落ちていたマルグリットの視点を描くために、女性の脚本家が必要だと考えたマットとベンは、『ある女流作家の罪と罰』の脚色でアカデミー賞にノミネートされたニコールをチームに招いた。さらにマルグリットを演じるジョディにも積極的に脚本会議に参加してもらい、意見を募ったという。
ジョディは「脚本では3つのシーンで3つの同じセリフが書かれているけれど、すべてはそれをどう演じるかにかかっています。微妙なニュアンスや表現の違いを観客の皆さんに感じ取って欲しいです。私は同じセリフを言う、それを相手が全く違う態度で受け止める。それがこの3人の脚本家たちがこの映画にもたらした力だと思います」と、共にマルグリットという女性を作り上げたからこその思いを語った。
マルグリットの脚本パートを担当したニコールも、「私が書こうとしたのは、彼女が経験したようなことが身の上に起こったとしても、人間であるならどう行動するかということ」と、マルグリットの行動が現代にも通じることをうかがわせた。