2021年9月27日 18:30
『孤狼の血』白石和彌監督に訊く映画業界がアップデートしていくべきこと<アーカイブ>
でも、作品の内容は究極を言うと関係ないと思います。
映画業界の労働環境について
SYO:韓国のポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』は休みをしっかり取ろうということで撮影して(「標準労働契約書」を交わした)、それがオスカーを獲ったという流れがあります。労働環境をアップデートさせていくことでアカデミー賞を獲ったというのは大きな流れだと思うのですが、そういった世界的な動きに関してはどうお考えですか。
白石:もう全くその通りだと思います。ハラスメントって、別に何もないときにそんなには起こらないですよね。特にパワハラはですね。映画業界って、映画のスタッフってみんな映画大好きだから、監督が「はい、もうこれで撮り終わりました」と言っても何時間でもつき合ってくれるんですよ。何だったら24時間超えて、30時間とかも寝ないで撮影し続けててもみんなつき合ってくれるんですよ、下手すると。
そういう寝れない環境とか、過酷な環境がハラスメントすべてとは言わないですけれど、ハラスメントが起こる土壌になっているということもリアルな話なんですよ。そういう意味では労働環境を改善するというのは、非常に重要です。
特にいまの日本の映画業界、本当にそろそろ限界なんじゃないかなっていうところまで来ているので。