『ビルド・ア・ガール』原作者が心を砕いた「自分に喜びを与えてくれる」ものの選び方
本作が半分実話、というのはまさにキャトリン自身の体験がそこに反映されており、映画の脚本にも自ら参加。小説とは異なる流れに映画用の脚色を施しながらも、本質的なメッセージを損なわず、思春期の少女の心の旅を描いていくため、執筆には2年もかけたという。
「原作小説の『How to Build a Girl』(原題)を書こうと思ったのは、30代に自分の人生を振り返った時でした」とキャトリン。「私はイギリスのウォルバーハンプトンの公団住宅に住む労働者階級の子で、狂ったヒッピーたちに福祉手当をもらいながら育てられ、何のコネもないのに16歳で音楽ジャーナリストとなり、世界中を飛び回ってロック・スターに会う仕事を手に入れた」、それなら「ちょっと待って。マット・デイモンが動物園を買う話を映画にできる(『幸せへのキセキ』)なら、私の話だって映画にしていいんじゃない?私にとっては面白い話だから、映画を作ってみよう」と思い立ったという。
「自分がやりたいことをリストアップしていた時に気付いたことがあって、それは一般的に女性のキャラクターは映画の中でちょっとした拷問を受ける傾向があるということ。私が一番やりたくなかったのは、女の子が間違いを犯して、泣きながらゴミ箱に放り投げられて、『私は学ばなければならない。