2021年11月19日 17:30
孤独が“蔓延”した時代の必見ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』、映画版の魅力に迫る
“僕はここにいる”。
高校3年の新学期を迎えた朝、エヴァンは家の窓から外を通り過ぎる人たちに向かい、心の中で窓ガラスを叩いては手を振り続ける。誰かが、手を振り返してくれるのを待っている。そんなエヴァンの孤独な胸の内を歌い上げる「Waving Through A Window」から幕を開ける映画『ディア・エヴァン・ハンセン』。
休み中のある出来事により腕を骨折してギブスをした彼には、心を開いて語り合える友だちがいない。母親は毎日忙しそうで自分の話を聞いてくれる余裕なんてない。だから、まず心にブレーキをかけることを学んだ。この切なる叫びを誰かに打ち明けて最低の自分をさらけ出してしまったら、何を言われるか分からない。
SNSにどんな投稿をされるか分からない。
こうしたエヴァンの本音がセリフではなく、エモーショナルなメロディに乗るからこそ『ディア・エヴァン・ハンセン』はストレートかつ、リアルに胸に響いてくる。
トニー賞受賞の大ヒット
ブロードウェイミュージカルを映画化
2016年12月の上演以来、連日チケット完売、社会現象となる大ヒットを記録したブロードウェイ・ミュージカルの映画化をした本作。