2021年11月19日 17:30
孤独が“蔓延”した時代の必見ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』、映画版の魅力に迫る
残酷で混沌としたソーシャルメディア時代に、自分の居場所を切実に求める青年の孤独感や葛藤、他人の悲嘆を自分の物語として共有したがる心理、大人たちの不器用な喪失との向き合い方などを描き出し、トニー賞では作品賞と主演男優賞(ベン・プラット)を含む6部門を獲得した。
本作を生みだしたキーパーソンは、『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』を手がけたベンジ・パセックとジャスティン・ポール、そして伝説的名作「RENT」に大きな影響を受けたという脚本家のスティーヴン・レヴェンソンだ。よく知らないクラスメイトの悲劇を、まるで自分事のようにとらえ、一体感を持とうとする心理の裏には、誰かと繋がりたいという切実な欲求が隠されていると考えた3人は、自分の殻に閉じこもる社交不安症を抱えた本作の主人公エヴァン・ハンセンを生みだした。その上で、「ポップ・ミュージックという枠組みの中で、僕たちが考えたテーマとアイデアを表現する手段」を「RENT」から学び、楽曲を作り上げていったという。
舞台版主演ベン・プラットを迎え
『ウォールフラワー』監督が映画化
映画版で主演を務めたのは、ブロードウェイ初演でもエヴァン・ハンセンを演じてきたベン・プラットだ。