【映画と仕事 vol.15】ラブシーンに臨む俳優の尊厳を守る 日本初の“インティマシー・コーディネーター”浅田智穂が現場にいることの意味
というお話をいただき、私のほうも「ぜひやりたいです」とお伝えして、オンラインで講習を受けるなどして『彼女』の現場に入らせていただきました。
――オファーが来る以前からインティマシー・コーディネーターという職業についてはご存知でしたか?
いえ、知りませんでした。いま思えば、そういう記事を目にした機会はあったと思いますが、まさか自分がなると思っていなかったのであまり意識していなかったんですね。お話をいただいて“インティマシー・コーディネーター”という言葉を聞いた時、それを初めて耳にしたかというとそうではなかったと思いますが、詳しい内容や意義について、わかっていませんでした。
――講習やトレーニングでは、具体的にどのようなことを学ばれたんでしょうか?
コロナ禍ということもあり、すべてオンラインだったのですが、まずはセクシャリティやジェンダーについて、それからどういうことをハラスメントと考えるのか?どんなことがトラウマとなってしまうか?といったことを勉強しつつ、監督や俳優との向き合い方、脚本を読んで、そこから何を抽出し、どういったことを考えなくてはいけないか?現場での役割、あとは実際の前貼り(※俳優が局部を隠すために使用するシール)