2022年4月20日 12:30
【ネタバレあり】ダンブルドア&グリンデルバルド、ニュート&テセウスほか『ファンタビ』最新作の様々な愛
とはっきりと口にする理由が理解できた。両者には、“かつて愛して今でも忘れられない人、だがもう愛せない人”といった空気が流れていた。数年前、原作者に対して「ダンブルドアがゲイだと描かれないなんて」と批判が上がったことがあったが、本作ではダンブルドアとグリンデルバルドが恋愛関係にあったことが明示された。
しかし!その直後、マッツのグリンデルバルドは侮蔑を瞳に宿らせ、マグル(人間=非魔法族)は「動物」と言い放つ。「同胞よりも、動物どもの味方をするのか」と言うのだ。いくら思い合っていても2人の決定的な違いがここに凝縮されており、本編開始数分でファンは歓喜と落胆を体験する。このグリンデルバルドの選民思想は、いまの現実世界においても残念ながら健在で、断じて許されないもの。ダンブルドア自身も後悔を隠さない。
終盤に、グリンデルバルドがクリーデンス(エズラ・ミラー)を襲おうとしたことをきっかけに、ダンブルドアとグリンデルバルドが再び杖を向け合い、強力な魔法契約“血の誓い”のペンダントがついに破壊される場面がある。一騎打ちの最中で、お互いの鼓動に触れた瞬間、共に過ごした“あの夏”が蘇ってしまう2人は結局、決着をつけることができない。