『第9地区』シャルト・コプリー 異色のオスカー候補作を南アフリカの異能の男が語る
恐ろしい事態に見舞われ、変化を余儀なくされる彼を演じるにあたり、シーンごとの感情レベルをきちんと把握する必要があったんだ。そのため、僕は“怒り度”“病み度”“ショック度”といった項目を各シーンに設け、1〜10までの数字でレベルを表すようにした。自分のためのちょっとしたシステムだね。まずはレベル10のシーンを見つけ、『だったら、このシーンは5くらいだな』と引き算していったんだ」。
「ヴィカスに何が起こるかは、これから観る人のためのお楽しみにしておきたい」と語るシャルトの思いを考慮し、ヴィカスがたどる運命には触れないでおくが、「監督のニール(・ブロムカンプ)から最初にアイデアを聞いたときは『すごいな』と思ったよ」とのこと。
「僕は自分自身の思考を停止し、流れに身を任せるだけで十分だった。ヴィカスがたどる運命は、考えたくないほど強烈だからね。ヴィカスというキャラクターに演じさせてあげるような感覚を、僕は自分の中に保つだけでよかったんだ」。
プロデューサーとしての経歴を持つからか、作品が観客と出会う状況にまで気を配り、なかなかの秘密主義を発揮するシャルト。したがって、続編の可能性についても「続編の製作を望んでいるし、僕もぜひ出演したい。